女性委員が活動を毎月発信 きょうと女性農業委員・推進委員の会

 京都府内の女性委員59人で組織する「きょうと女性農業委員・推進委員の会」(山下明子会長)は、3年前から全国農業新聞京都版を「会報」と位置づけ、毎月交代で「委員の活動」や「女性農業者の活躍」を紹介する署名記事を連載。読者から「視点が柔らかで、楽しい記事が多い」と高評価が寄せられている。

 現在、府内26市町村のうち、記者となる女性委員がいるのは23市町村。山下会長は「次の委員改選では、女性委員が不在の委員会を解消していきたい」と目標を掲げる。
 「女性委員の会」では、4年前まで独自の「会報あゆみ」を年4回発行していたが、女性委員の活動を幅広い農家に伝えられないことが課題だった。そこで、「全国農業新聞を会報にして、委員以外の読者にも毎月発信していく」と総会で方針決定し、全員が順番に署名入り記事を執筆することを申し合わせた。
 全国農業新聞を会報に位置づけたことに伴い、普及拡大にも力を入れている。府内6ブロックで「地域の女性農業者との交流会」を開催し、参加者に本紙を紹介。会員の活動を通じて、直近4年間で約50人の読者を増やした。
 本紙京都版で毎月連載している「女性委員がつないで発信」。今回は全国の読者に向け、「農業委員会ネットワーク通信」で紹介する。

上田会長が完成させた精米用の水車

 どんどん農家が減って耕作放棄地が増える中、農地を次の世代に渡せる方法を農業委員会の地域再生グループ(10人)で考え、昨年からモデル地区(美山町鶴ヶ岡)で特栽米プロジェクトを開始。グループの委員全員で現地を訪問して検討し、「谷川の清水だけで作る米」「収量は少ないけど、食味は日本一の米」という〝強み〟を最大限に生かす取り組みが始まりました。
 上田純二会長(当時は農政部会長)と地元の協力農家4人の試験田で特別栽培米を育てて収穫。米の食味に関するアンケートを道の駅で実施したところ、147人中85人が「一番好き」と回答し、抜群の結果でした。そこで、地域再生グループで専門家を交えてネーミングを検討し、「孫に食べさせたい 美山のコシヒカリ」に決定しました。
 昨年は、コロナ感染防止のため交流イベントを開催できず、十分にPRできなかったのが残念でした。今年に期待して、大工でもある上田会長は、精米用の水車を完成させました。中山間地域の水田を次世代に継承するプロジェクトとして、この取り組みが広がることを願っています。
 (南丹市農業委員会・渡部康子委員)