人と組織をサポート アグリ・マネジメント・スクール 山梨県農業会議

 山梨県農業会議では、担い手・経営対策の一環として、農業経営に必要な税制などを学ぶ「アグリ・マネジメント・スクール」を毎年開き、新規就農者や農業団体役職員などに向けて研修を行っている。
 効率的な農業経営をするために、財産状態や経営成績の数値化や税金を節約することなどが課題となっている。同研修では、それらの解決に必要な青色申告制度の活用や決算書の作成方法などについて理解を深めることを目的としている。
 研修項目は、青色申告制度の概要説明、決算書および確定申告書の作り方、簿記記帳の実務など。簿記は複式簿記が中心だが、市町村や農業団体などから依頼があれば、単式簿記の指導も行っている。
 研修担当の県農業会議職員は「現在、白色申告でも帳簿作成が義務化されて、青色申告とやるべきことは変わらなくなってきている。また、青色申告は特別控除が受けられたり、専従者給与を経費算入できるので、ぜひ農家さんにチャレンジしてほしい」と話す。
 複式簿記の研修では、(株)ソリマチに依頼して、同社のパソコン簿記ソフトを使った実習も行っている。
 単式簿記に比べて複式簿記は作業量が多く、手で帳簿を作るのは難しいという声が農家から寄せられている。
 しかし、簿記ソフトは、取引の仕訳さえできれば、決算書まで自動的に作成できるため、農家も取り組みやすい。
 研修の手順は、まず県農業会議が仕訳の原理を中心に説明をして、その上でソリマチの講師が農業簿記ソフトの使い方の実習を行う。また、ソフトには減価償却費の計算や確定申告書を作成する機能もあるので、そのデモも行っている。
 問い合わせは、山梨県農業会議(電話055・228・6811)まで。

写真(上)=研修会で説明する県農業会議職員

写真(下)=簿記記帳などの研修教材