ファシリテーション研修会開催 ウーマンアグリネットおおいた

 農業委員会に求められる「人・農地プランの実質化」を進めるには、農業委員、農地利用最適化推進委員が地域の意向を引き出すスキルを身につけることが必要だ。プランの実質化は〝まちづくり〟を進めることでもあり、今後の地域の方向性を大きく左右する重要な取り組みだ。

地域の未来の農業を担うアイデアの出し合い(第3回研修)

 大分県の農業委員会の女性委員で組織されている「ウーマンアグリネットおおいた」と農業会議では本年度、共催でファシリテーション研修会を開催した。ファシリテーションとは、集団による問題解決、アイデア創造などあらゆる知識創造活動を支援・促進していく働きを意味する。その役割進行役を担うのが「ファシリテーター」だ。
 講師として(一社)会議ファシリテーター普及協会の釘山健一代表と小野寺郷子副代表を招き、6月21日に基礎編、7月13日と8月17日には実践編を学んだ。地域の話し合いで活躍が期待される女性委員人が参加した。
 基礎編では、プランの実質化などまちづくりに向けた話し合いを進めていくため、(1)話し合いの雰囲気を作るコツ(2)参加者全員の意見を引き出すコツ(3)意見を整理していくコツ(4)意見をまとめていくコツ(5)話し合いのルールづくり(6)時間を管理して目標を達成するコツなどを学んだ。参加者が納得する「全員参加型」の話し合いのコツだ。
 参加者からは「今までの会議のやり方とは全然違って勉強になった。ファシリテーションの基礎を学ぶことができた」との声が聞かれた。会議の在り方の認識が変わり、目からうろこが落ちた状態だったという。

グループ発表(第3回研修)

 実践編1回目は「遊休農地活用の楽しいアイデアを出し合おう」をテーマに、五つのグループに分かれて話し合いながら、アイデアの出し方について学習した。「皆で意見を出して創りあげる楽しさがわかった」「メンバーの意見を聞くことで、自分だけでは思い浮かばないアイデアがたくさん出た。一体感の大切さを感じた」など、今までの話し合いとは違った体験に感動の声が多く上がった。
 実践編の2回目では、実際の農地地図などを基に、グループ単位でプランづくりに挑戦。「今までのように特定の人が発言して決まっていくやり方と違い、参加者全員がアイデアを出し合ってプランを創造する楽しさを初めて味わった」と地域での新しい話し合いの方法の導入に手ごたえを感じていた。
 「これからの地域の話し合いに生かしていきたい」と多くの参加者から好評を得たことから、同会では10月~12月にも同様の研修を開いている。各地域でプランの実質化に向けた話し合いが進むことを期待し、今後もこうした研修を継続させていく予定だ。