岐阜 本巣市農業委員会 アンケートをもとに聞き取り 意向把握し集積・集約化

 本巣(もとす)市農業委員会(後藤壽太郎会長)は、農業従事者の減少と高齢化が進む同市において、相続を機に遊休化する農地を減らすため、2019年度から毎年、農業委員・農地利用最適化推進委員が中心となって、水田所有者の利用意向を把握し、担い手への農地集積・集約化を進めている。

農業委員・推進委員による聞き取り調査

調査対象地は、所有者が自作する水田のうち、担い手への効率的な集積・集約化が見込める農地を農業委員・推進委員と事務局が地図を見ながら、ピックアップ。21年度は、本巣地区8.95㌶(34戸)、真正(しんせい)地区9.17㌶(26戸)の意向を把握した。
 対象者ごとに所有農地を記載した利用意向アンケートを作成し、昨年12月から約1カ月間かけ、地区の農業委員・推進委員22人が協力して戸別訪問を実施した。対象者への連絡や訪問日時の決定は委員が行い、アンケートをもとに農地一筆ずつの耕作継続や貸し付け希望・時期を聞き取った。市外在住の対象者には郵送により意向を聞いた。これらの調査により、本巣地区0.28㌶、真正地区1.56㌶、計1.8㌶の貸し付け意向を把握し、地図に落とし込んだ。3月に認定農業者など担い手が参加する農地マッチング会議で情報提供し、どの農地を誰が耕作するかを話し合い、0.9㌶の農地のマッチングが成立し、農地中間管理事業の手続きを進めることになった。
 同市農業委員会では、今後も農業委員・推進委員が中心となって水田農地の所有者の意向を把握し、遊休農地になる前に担い手へマッチングを進めていくことで、農地を守っていく。

タブレット端末を活用した総会

同市農業委員会は、21年度のタブレット端末導入の「モデル導入農業委員会」となり、総会・研修会のWeb開催や資料のペーパーレス化に活用した。
 昨年8月から県農業会議が貸与するタブレットを総会に導入。まずは操作に慣れるため、農業委員は隣接する2会場に分かれ、メイン会場で進める総会にサブ会場はタブレットで参加。月ごとに委員が会場を入れ替わり、事務局や農業会議職員のサポートを受けながら、Web会議システムを活用した挙手や発言など円滑な総会運営ができることを確認した。順次、議案資料のデータ送付によるペーパーレス化や、希望する委員の自宅からリモート参加を実施。この他にも、農地パトロールの現況写真データでの報告や、人・農地プラン実質化の話し合いでの資料共有、全国農業会議所や農業会議が主催するWeb研修会への参加に活用した。
  導入により新型コロナウイルス感染症予防や経費削減、業務効率化が図られ、同市では本年度各委員1台のタブレット端末導入を予算化し、引き続き総会運営や新たに提供される農地ナビと連携した現地確認アプリeMAFF(イーマフ)での利用状況調査などに活用していく。