島根・川本町農業委員会 新法下で3回目の委員改選 期待の新体制スタート

 川本町(かわもとまち)農業委員会(福谷善彦会長、農業委員5人、農地利用最適化推進委員6人)は、2022年3月31日に任期を迎え、改正農業委員会法の施行後、県内で初めて3回目の改選を行い新体制をスタートさせた。

45集落の担当委員設定

 川本町は、県のほぼ中央に位置し、町の中央を中国地方最大の河川である江(ごう)の川が流れ、総面積の7割以上を山林が占める自然豊かな町である。
 農業は、水稲のほか、エゴマや白ネギ、トルコギキョウなどの花卉が栽培されている。特にエゴマは02年から栽培が始まり、今では町の特産品として全国的に知られている。
 同町の人・農地プランは、町内を三原(みはら)地区(12集落)と川本町南地区(33集落)の2地区に分けて取り組みを進めている。推進委員の6人は、45集落を分担して担当区域を設定。各委員が中山間地域等直接支払制度の話し合いに参加し、人・農地プランの実質化を進めてきた。
 また農業委員は両地区での取り組み支援をはじめ、町内全域の農地利用の最適化を図ってきた。
 改選後も引き続き農業委員会活動の中で得られる情報を活いかし、地域の話し合いなどの場に参加していく。

持続可能な農業の実現に向けて抱負を語る福谷会長

新たに女性農委2人就任 活動の幅広げ町農業活性化へ

 改選の内訳は、農業委員5人のうち3人が新任、推進委員は6人全員が新任。また改選前は女性農業委員が1人いたが、今回の改選で退任。このため関係団体などへの女性委員候補者の推薦依頼や自薦候補者の掘り起こしなどの取り組みを進めた。その結果、新任の女性農業委員2人が就任することとなった。第5次男女共同参画基本計画で示される「25年までに農業委員の中で女性が占める割合を30%以上にする」という成果目標を達成した。同成果目標を達成したのは県内で2例目となる。
 新たに農業委員となった松田道子委員は町内で原木シイタケの栽培などを行っている。また、柴原かんな委員は12年に千葉県から家族でIターン。同町での暮らしが10年の節目に農業委員となった。夫は町内で新規就農したエゴマの栽培農家だ。
 福谷会長は新体制となった就任のあいさつで「世界的に持続可能な取り組み、持続可能な農業が求められている。女性委員が増えることで、農業委員会としてこれまでとは違った発想や視点で議論・活動の幅を広げることができる。農業委員会の活動と町の農業の活性化につなげてほしい」と女性委員の活躍に期待の言葉を述べた。