農地を活かし担い手を応援する 農地の有効活用 担い手支援推進 東京・八丈町農業委員会

 東京都の八丈町農業委員会(沖山慶孝会長)は、農地の有効活用や担い手の支援を進めるために、町内全世帯へリーフレットを配布するとともに、各農家の規模拡大や農地の貸借の意向も調査している。こうした活動をもとに、関係団体と協力しながら、地域のさまざまな課題に向き合っている。
 同農業委員会は、さまざまな活動で地域の農地の有効活用や担い手への支援などを進めている。
 2015年度から、農地に関する情報を広く町内から集めるため、町内の全世帯にあたる約4600世帯に、東京都農業会議が作成した農地の有効活用や貸借の制度について解説したリーフレットを配布している。
 こうした取り組みの結果、農地の所有者から「農地を貸したい」との申し出が集まり、2015年度は17件23筆約6.1ヘクタールの情報が寄せられた。そのうち6件7筆約1.7ヘクタールが担い手農家に貸し付けられた。
 毎年実施している農業統計調査では、各農家の規模拡大や農地の貸借の意向などを調査している。同農業委員会は調査で得た情報をもとにして、「農地を貸したい人」と「借りたい人」のマッチングにつなげている。
 また、八丈町は農地利用集積円滑化事業の実施主体である。2008年度に八丈町が開設した「農業担い手育成研修センター」の運営にも同農業委員会は積極的に協力している。同研修センターは、島内外を問わず八丈町で就農を希望する人が、研修を受けることのできる施設だ。
 農業委員も講師を務め、フェニックス・ロベレニーやレザーファン、ルスカスなどの切り葉の生産を指導し、また研修で使用する苗の育苗などにも協力している。
 さらに、研修生や卒業生への農地のあっせんにも協力している。2014年度は、研修生2人に51アールの農地をあっせんした。
 八丈町では、2003年度より町民に稲作を体験してもらう田植え・稲刈り体験のイベントを実施しており、運営委員会には農業委員も参加している。2016年度は81人の町民などの参加があり、町民の農業への理解を深めるきっかけとなっている。
 同農業委員会は、さまざまな方法で地域の農地や農業に関する情報を集め、担い手の確保・育成に生かし、地域住民にも貢献する活動に取り組んでいる。

写真(上)=農業技術を真剣に学ぶ研修生

写真(下)=稲刈り体験にはたくさんの参加者が集まった