人・農地プラン実質化へ 地区ごとに推進チーム 広島 三次市農業委員会

 三次(みよし)市は、中国地方のほぼ真ん中、中国山地の麓に位置する中山間地域。標高差を活かした水稲や野菜、果樹、畜産と農業生産が盛んだ。三次市農業委員会(橋本洋資(はしもとようすけ)会長)は農業委員19人、農地利用最適化推進委員29人の合計48人で農地利用最適化活動に汗を流す。

 三次市の人・農地プランは市農業振興会議の「担い手支援推進班」を中心に旧町単位の8地区に「担い手支援推進チーム」を設置。同推進チームは市、県、JAとオブザーバーとして農業委員、推進委員および農地中間管理機構の地域駐在コーディネーターを構成員としている。同推進チームはプランの説明会やアンケート調査を実施して、各地区の実情に沿ったプランの実質化の支援など、担い手全般の支援をしている。
 その中の一つ、吉舎(きさ)地区は7月13日、JA三次吉舎支店において農業委員1人、推進委員3人をはじめ関係機関の担当者を集めて「吉舎町担い手支援推進チーム会議」が開催された。会議では、同町桧(ひのき)集落で2月に実施したアンケート結果をもとに年齢別と今後の意向別に色分けした地図を作成し、地域の現状報告を行った。
 また、吉舎地区で規模拡大を希望する農業者の一覧表を配布し、マッチングに利用してもらうよう説明し、情報の共有化を図った。
 出席した吉舎地区の推進委員である松浦正法(まつうらまさのり)さんは「農業委員会活動記録簿をもとに、担当地区の農地の利用状況」を報告をした。
 また、敷地(しきじ)集落を担当する同推進委員の藤村裕明(ふじむらひろあき)さんは「地区の担い手農家が亡くなり、耕作していた農地を次の担い手に集積できるかが心配」と直面している課題を説明した。

今後の意向を色分けした地図

 同市では、こうした同推進チームの会合を各地区で定期的に開催し、地区の現状と課題を共有し地域実態に沿った最適化活動を進めるとしている。
 同市農業委員会の上岡忠美(かみおかただみ)係長は「人・農地プランの実質化には、日ごろから農家への委員の声かけや見守り活動が欠かせない。日常活動を記録に残し、見える化して公表することで農家からの信頼も高まる。事務局としても活動記録の取りまとめについて支援していきたい」と語った。