人と組織をサポート 就農コンシェルジュ設置 高知県農業会議

 高知県農業会議(林幸一会長)は、地域の担い手となる新規就農者の確保・育成に向け、就農コンシェルジュを設置し、積極的な人材確保対策に取り組んでいる。
 県は産業振興計画の中で年間280人の新規就農者の確保を目標に関係各課が連携して取り組んできた。2013年以降は3年連続で260人を超え、目標は射程内に。
 昨年からは、産地が受け入れたい人材や就農までの道筋を提案する新しい対策もスタート。今年度からは目標も320人に上方修正し、取り組みを強化した。これに伴い農業会議はコンシェルジュを2人から3人に増員。相談窓口機能を強化し、「新・農業人フェア」をはじめ県外での就農関係のイベントに出向くなど、県内外での人材確保に力を入れている。
 また、今年度から新たな取り組みとして県の新規就農推進事業補助金を活用し、就農希望者と農業者との交流を深める「産地提案型農業体験ツアー」を企画。年2回の開催を予定しており、7月に1回目を高知市で開催。2回目は年明けに安芸市で開催する。
 ツアーは2日間の日程で、農業振興センターやJAなど関係機関や先輩就農者から産地の紹介や求める人物像、農業者のライフスタイルなどを報告する座談会を実施。交流を深めたうえで2日目に圃場へ足を運び収穫体験をする流れだ。
 ツアーの参加者からは「実際に産地の人と触れ合うことで産地を魅力的に感じられた」「就農先の候補の一つにしたい」と良い反応が返ってきた。
 同農業会議では「青年就農給付金や県・市町村の支援で就農の入り口が広がり相談も増えている。綿密な対応ができるよう充実した体制づくりを心掛ける」としている。

写真説明=高知市のユリ部会員から説明を受けるツアー参加者