本年度内に地域計画の策定へ 和歌山・御坊市農業委員会

 御坊市は県のほぼ中央部に位置し、温暖な気候を活かして水稲に加え、ブロッコリーやキャベツなどの露地野菜、スターチスなどの花き、ウスイエンドウ、ミニトマトなどの施設野菜が多く栽培されている。御坊市農業委員会(和佐憲道会長)は同市農林水産課と連携し、県内の他市町村に先駆けて、地域計画策定に向けた取り組みを進めている。

同市は2023年3月から5月にかけて、市内で営農を行っている者や農地所有者を対象に「地域農業の将来(地域計画の策定)に関するアンケート調査」を実施した。
 農業者の高齢化、担い手不足、耕作放棄地の増加が深刻化する中、アンケートを通じて農業者や農地所有者が地域の現状と将来の課題を共有し、地域計画の迅速な策定につなげるのがねらいだった。市内全域を5地区に分け、人・農地プランの実質化に向けて実施していたアンケートと併せて、約1千人を対象に調査を実施。そのうち6割以上となる655人から回答を得ることができた。
 調査票の配布や回収は地元のJAに協力を依頼。調査票の回収率向上に向けて、農業者や農地所有者などの対象者への声かけなどを農業委員・農地利用最適化推進委員が担った。
 農業委員会事務局はアンケート結果を取りまとめ、地区別の調査結果と耕作者の年齢別に色分けした地図を作成。これらを郵送で回答者へ報告したほか、市のホームページ(HP)で公表した。併せて意見投稿フォームを設置することで、さらなる意見集約を実施した。

アンケート結果を取りまとめて、耕作者の年齢別に色分けした地図を作成(同市藤田周辺)

 これらの調査結果を踏まえ、県振興局やJA、農地中間管理機構、土地改良区と協議を行っているところだ。
 また、23年12月4日に開かれた総会では、農業委員だけでなく推進委員にも集まってもらい、地域計画策定に向け、打ち合わせた。
 今後、1月から2月にかけて、地域住民らを交えた協議の場を設置し、順次目標地図を作成していく予定だ。
 事務局の前田和久さんは「年度内には地域計画を策定できるよう、農家や関係者と話し合いを進めていきたい」と話す。

23年12月に地域計画策定に向けた打ち合わせを開いた