地域計画策定へ準備整え、いち早く着手 香川 まんのう町農業委員会

 まんのう町農業委員会(中浦優会長、75)は、地域計画策定に向けた活動を県内でいち早く着手。目標地図の素案作成だけでなく、座談会や計画策定などでも中心的な役割を担っており、地域の農業者の高い経営継続意欲の再確認や若手農業者の自主的な活動につながるなど成果をあげている。

中浦会長

 同農業委員会では、2022年4月から数回にわたり定例総会の場を活用して、地域計画や目標地図の作成について農業委員・農地利用最適化推進委員へ周知し理解を深めてきた。
 同年10月に農業委員・推進委員で構成する「地域計画検討会議」を町内4地区で立ち上げ、地域の課題や座談会の進め方などを協議。23年2月に1回目の座談会を、町内全域の計7地区で開いた。地区ごとの活動に対する温度差をなくすため、準備の際は全ての地区を同時並行で進めた。
 座談会には、認定農業者や規模拡大している担い手のほか、中讃農業改良普及センター、(公財)県農地機構、JA、自治会長、土地改良区役員らが参加。資料は、「かがわの農地利用最適化推進一斉強化運動」のアンケート結果から得た縮小意向のある耕作者の農地を抽出・整理し、農業委員会サポートシステムから出力した地図などを用いた。
 「あくまで現状維持で農地を守っていこうという考えのもと話し合いを進めている。座談会では縮小意向が多いと想像していたが、農家の営農継続の意欲が高く、懸念していたほど高齢化は大きな課題にならなかった」と中浦会長は話す。

農業委員・推進委員が座談会をけん引

 これまでの座談会を契機に町内の若手農業者らが自主的な活動組織を立ち上げ、地区を越えた研修会の開催に至るなどの波及効果も得られた。
 座談会は、24年2月に3回目を開いた。25年2月までに計5回の開催を予定している。
 円滑に進んでいる要因として「農業委員・推進委員が積極的に動いたことで、農家と行政の距離を縮める事ができた」と農業委員会の藤原道広事務局長は振り返る。
 また、「農家は非常に前向きで熱意ある人も多い。こうした人たちが十分活躍できるよう、今後も委員と事務局が一体となり、活動をリードしていきたい」と中浦会長は意気込む。

出力した地図をもとに話し合った