人と組織をサポート “ぎふ農業経営学院”を開講 岐阜県農業会議

 岐阜県農業会議(鷲見郁雄会長)は、地域で営農しながら経営ノウハウやマーケティングを学ぶ農業経営者向けの塾「ぎふ農業経営学院」を今年8月から開講している。
 月1回のペースで6カ月間学ぶプログラムで、現状分析から経営課題を整理した上で、「ヒト・モノ・カネ・情報」など農業特有のさまざまな経営資源について学ぶ。
 農業会議は、これまで就農準備者や就農後間もない農業者を対象にした農業簿記や労務管理の講座などを実施してきたが、農業法人の役員や認定農業者など既にプロとして経営している農業者を対象にした半年間にわたる研修は初の試み。農業経営の法人化や事業拡大による雇用就農を増やすとともに、県を代表する高いレベルの担い手の育成を目指している。
 講義を受けるだけではなく、グループごとに議論し、経営課題を解決するためのアプローチをまとめていくことが、プログラムの特長だ。1期目の受講者20人は、5人ずつ4グループに分かれ、グループを一つの農業法人と見立て議論を進めていく。
 具体的には、販売や流通などモノについて学んだ講義では、専門講師の販売戦略やマーケティングの講義を受けた後、グループごとに講義内容で共有したいことや、それぞれの経営で取り組みたいことを話し合い、模造紙に米や野菜などのターゲットや価格、販売方法について意見を出すグループワークを行った。ワークのポイントは、毎回リーダーを替え、全員参加を促し、その日の最後には発表を通して他グループと競い合うことだ。
 最終回には各回で議論したことを農業法人の次期事業計画にまとめあげ、発表を行う予定だ。
 プログラム全体の企画、助言を務める駒澤大学経営学部の渡辺伊津子教授は「第4回までを終え、チームワークや課題解決への取り組み意識が高まっている。刺激や気づきを得て、それぞれの経営へのフィードバックや受講者同士のコラボの動きも出てきた」と現れだした成果を確認。今後さらにレベルアップするようサポートする。

写真説明=グループで経営課題を議論