新規就農者・参入を支援 農地集積や技術指導も 群馬 明和町農業委員会
明和町農業委員会(黒澤泰幸会長)は町と協力し、農地の集積や遊休農地対策など農地利用の最適化活動に重点を置く。特に新規就農者・新規参入の促進に力を入れており、将来に向けて地域農業の発展をめざす。

町農業委員会は2009年から、県の館林地区農業指導センターやJA邑楽(おうら)館林などと連絡調整を密にし、地元農業者による技術支援の協力も得て、新規就農者の受け入れ体制を強化している。過去5年で3人の新規就農者が増えた。
新規就農を希望すると、「農地取得」「農業用機械取得」「農業技術」「販路」「農業経営」などクリアすることが多い。農地取得では、農業委員、農地利用最適化推進委員が、農地所有者に働きかけ積極的にあっせん。現在進められている地域計画の話し合いでも、新規参入などの担い手に農地の集積を進める。
13年に米麦と野菜で新規就農した荻原博信さん(34)は、就農当時の経営面積は3.6㌶だったが現在は13.87㌶になるなど、農業委員・推進委員の協力を得て順調に規模を拡大してきた。
また、同町では数多くの独自の助成があり、就農者の負担を軽減する。「明和町農業用機械等導入支援事業補助金」では、トラクターなどの農業用機械の購入費の20%(上限50万円)を助成している。
果樹栽培では「果樹園芸施設整備補助金」があり、網や棚施設、スピードスプレーヤーなどの機械導入に対して新設設備の50%(上限20万円)以内を助成する。
さらに認定農業者であることを要件として、農業法人が町外から事業所移転した場合や、同町で農業者が農業法人を新設した場合は、1法人当たり150万円の奨励金を交付。新規就農だけでなく、法人経営者に対しても魅力のある支援策を措置している。

特に同町の特産品の梨については、「担い手の確保」を目的に07年、梨栽培農家による「明和町ナシ産地構造改革協議会」を設置した。梨農家は、後継者が極めて少なく、梨は実がなるまで3~4年と時間がかかるため、新規就農者が少ないのが現状だ。しかし、協議会ではこれまでに研修生9人を受け入れ、そのうち5人が就農。さらに農家子弟の後継者1人が就農した実績を残している。今年から就農開始の三宮剛さん(49)は、「地元梨農家の一人として早く活躍できるようにがんばりたい」と抱負を語る。
町農業委員会の黒澤会長(77)は、「担い手の高齢化が進んでいる中で、新規就農や参入は貴重。これからも農業委員会として、町としてサポートしていきたい」と拳を握る。