地域計画策定へ関係者で協議会設立 秋田・由利本荘市農業委員会
由利本荘市では2023年4月、関係者が連携し「由利本荘市地域農業者協議会」を設立。地域計画の策定に向け、各地区で現状や将来の農地利用について話し合いを開いている。由利本荘市農業委員会(冨樫公一会長)では、農業委員・農地利用最適化推進委員、職員が出席し話し合いを牽引(けんいん)。そこで使う地図は農業委員会サポートシステムで作成している。
同協議会は、不作付け農地の拡大などで地域農業の展望が明らかでない現状を受け、農業者・行政・農業団体などが連携して各地区の農地利用を協議する場だ。JA秋田しんせいと市農業振興課、市農業委員会の3者が事務局を担う。
市農業委員会では、担当地区の農業委員・推進委員が出席し、地域の農業者に参加するよう声掛け、話題提供、農業委員会職員は進行、取りまとめなど話し合いが活性化するよう取り組む。また、各委員と職員は、市農業振興課と事前に打ち合わせ、将来農地利用が困難になると想定される箇所の確認や後継者の有無、意向などの情報の整理をして話し合いに臨んでいる。
さらに、農業委員会サポートシステムを使い、意向を反映した地図を作り話し合いで活用する。三保敦農政班長は「23年度に着任しゼロから地道に操作を覚えた。より良い話し合いになるよう今後も活用を進めていく」と話す。
話し合いでは市農業振興課の水田台帳システムの地図も広げ、作付けの状況も確認できるように工夫している。参加者は農業委員会と市が準備した二つの地図で、地域の現状などを確認しながら課題や意欲を語る。
同市小友地区の菅原文克農業委員は「話し合いを重ねて地域の課題などを共有することで参加者の目線がそろってきているように感じる。知り得た情報を活かしながら、地元の農地を次の世代につなげるように心がけている」と話す。菅原委員はまた、その手立ての一つである基盤整備の必要性についても「柔軟に考え、見定めていく必要があると思う。話し合いの継続が重要」と話す。
市農業振興課の佐々木和宏担い手支援班長は、「円滑な話し合いに向け、グループ分けや開催時期、資料などに配慮して取り組んできた。進捗は各地区の実情によりけりだが着実に進んでいる。今後もさまざまな点を検討しながらできる限り柔軟に対応したい」と話す。
同市では年内に地域計画の案を作り、同案を説明する場も予定する。地域計画の策定後も同協議会を続け、継続的に計画を見直す考えだ。