全委員タブレット所持 調査や申請など効率化 新潟 胎内市農業委員会

 胎内市農業委員会(松村孝市会長)は、農業委員、農地利用最適化推進委員22人全員がタブレットを持つ。調査や申請など多くの場面でタブレットを使うことで、活動の幅が広がり効率化につなげている。

新人委員が対象の操作研修会では多くの質問が出た

 県北部にある胎内市は日本海に面しており、農業は水稲を中心に野菜や果樹、花卉など多様な農業生産を展開している。農地も区画整理された水田や海岸線に広がる砂丘畑、中山間地域における棚田など多岐にわたる。
 同市農業委員会では、委員全員がタブレットを農地利用の最適化活動に活用している。2022年度のタブレット導入の際に「委員が現場で使用するためには全員が所持しなければ導入するメリットがない」と考えた。各委員が担当区域ごとに行う利用状況調査(農地パトロール)はもちろん、活動記録もタブレットで行う委員もいるまでに浸透した。
 タブレット導入後のサポートにも取り組んでいる。24年4月、農業委員会が改選され10人の新人委員が誕生したが、5月の総会後にさっそくタブレット操作研修会を行った。タップやスクロールなど基本操作だけでなく、現地確認アプリの起動や操作をはじめ、農地情報の確認方法などを学んだ。出席委員は「ぜひ利用したい」など反応もさまざまだったという。
 事務局の小野智裕係長は「操作研修会を継続的に行うことで身に付けたスキルを現場で活かすことが大切」と話す。

利用状況調査などでもタブレットを積極活用する

 小野係長はまた、タブレットの活用をさらに進めていくため、委員に対し「タブレットの利用が委員・事務局相互に業務の効率化が図られることについて理解を深めていきたい」と今後の課題を挙げた。
 これまで行われた地域計画の策定で農業委員会は、意向調査の実施や目標地図の素案作り、市内7会場で行った協議の場の進行などといった役割を果たしてきた。
 この中で耕作者を対象に行った意向調査でもタブレットが有効活用された。紙面による調査を行ったが、未回答の項目があった対象者へ委員が戸別訪問し、聞き取りにタブレットを使用することで回答率の向上につながった。
 同市では4月以降、地域計画の実現に向けた動きが始まり、農業委員会の農地利用最適化活動も一層重要となってくる。松村会長は「今後は農地の集約に向けてより一層活動を推進していかなければならない。農業委員会としてきめ細やかに対応していけるように、現地確認などにタブレット活用をしていきたい」と語る。