全委員にタブレット 活動効率化へ奮闘! 山梨・北杜市農業委員会

 北杜市農業委員会(内田英一会長)は利用状況調査や農地所有者からの相談に迅速に対応できるよう、農業委員・農地利用最適化推進委員全47人がタブレットを常時携行するようにした。

同市の農業委員と推進委員。前列中央が内田会長

 北杜市は県の北西部に位置し、八ヶ岳をはじめ南アルプスや秩父山系の麓に水田や野菜畑が広がり、豊富な湧水と日照にも恵まれている。JR中央線や中央道が市内を貫き、物流にも恵まれていることから、近年では水稲や高原野菜の生産を計画する企業の参入適地として知られている。
 農業委員会では2024年の夏から本格的にタブレット使用を開始。内田会長は「平均年齢68歳ともなるとタブレットの扱いに四苦八苦。研修では、いつタブレットを放り投げようとする委員が出てくるか、ひやひやしていた」と当時を振りかえる。
 しかし、事務局の丁寧な指導や県農業会議からの支援、委員個々の努力の成果もあって、誰一人タブレットを諦めることなく、扱い方を身に付けていったという。
 残暑が厳しかった昨年9月の利用状況調査では、タブレットに衝撃吸収用のケース、反射防止フィルム、首掛けストラップなどを整備。かさばる紙の図面などを持ち歩かずにタブレットだけでスムーズに調査ができた。調査時間も23年までは合計1170時間かかっていたが、24年は同1030時間に短縮され、事務効率も大幅にアップした。
 調査終了後にはタブレット使用に関するアンケートを実施し、今後の活用に向け意見を確認しあった。

利用状況調査前にタブレット研修を受ける各委員。導入直後は操作に四苦八苦
タブレットを活用した調査後、結果の確認

 同年11月には、タブレット利用の先進地である岐阜県恵那市を視察した。
 タブレットを使った総会資料の説明など、有効利用している同市農業委員会の姿を目の当たりにし、「北杜市でも総会でのタブレット活用や、事務局や委員同士での連絡にぜひ活用していきたい」との声が多数あがった。
 来年度以降は資料のペーパーレス化や、委員会内での連絡にラインワークスを取り入れていきたいと意気込んでいる。
 タブレットを一つのツールに、農家や農地の情報をつぶさに見える化して、農業委員会の業務をまっとうしていきたい、と今日もタブレットを首にかけ、47人の委員は市内農地を駆け回る。