農地を活かし 担い手を応援する 女性委員らしい活動展開 石川県

 石川県内では、女性の農業委員が、県組織の活動を通じて情報を交換しながら、「女性らしい活動を」と各地でさまざまな取り組みを行っている。金沢市と小松市での取り組みを紹介する。

 金沢市農業委員会が昨年12月15日、同市農業センターで女性組織交流会・加工研修会を開き、女性の担い手農業者ら30人が参加した。
 朝倉忍農業委員会会長のあいさつの後、岡部敏久事務局長補佐が農業委員会の役割について説明。共催した同市農業振興協議会の中村直子女性部長が講師となり、全員でまゆ玉づくりを学んだ。
 まゆ玉(餅花)は、五穀豊穣や商売繁盛を祈願し、農家や商店で飾られてきた縁起物だ。柳の枝に白や赤、青などカラフルなお餅をまゆ玉のようにつけ、だるまや招き猫などの飾りをつけて玄関などに飾る。色とりどりのまゆ玉が完成した後、金沢春菊やトウガン、ナガイモを使った郷土料理を食しながら交流を深めた。
 同市では毎年、千田一枝さん、中村和江さん、藤田礼子さんの3人の女性委員らが中心となり、こうした女性の担い手農業者との交流を行い、女性委員を増やすように努めている。閉会にあたり千田さんが女性の登用促進に向けて「2017年は農業委員の改選があるので、皆さんにお声がかかることもあります」と参加者にアピールした。

 小松市農業委員会の辻本容子委員は、地元の西尾小学校で食育活動に取り組んでいる。子どもたちに野菜づくりを教えてきており、昨年はお母さんたちからの要望に応え、学校菜園に大豆を植えた。収穫された大豆を使って昨年12月20日、4年生と5年生の児童11人を対象に理科室でみそづくりを教えた。
 手動式ミンサーと米こうじは辻本さんが、大豆や鍋、つぼは学校が用意し、児童2人ペアで作業した。児童1人となった4年生の女子には室谷美幸委員がペアを組んだ。
 「みそづくりがこんなに大変だとは思わなかった」「大豆をつぶすとソバみたいで面白かった」「早く夏になって、おいしいみそ汁が飲みたい」と、児童たちは初めてのみそづくりを楽しんだ。

写真(上)=子ども連れでまゆ玉づくりに励む若い女性農業者

写真(下)=児童らにみそづくりを教える辻本さん(右端)