農地利用最適化へ 活動体制を強化 福岡・嘉麻市農業委員会

 福岡県内では、2016年4月の改正農業委員会法施行を受けて、12月までに11農業委員会が新体制に移行している。
 嘉麻市農業委員会(永水修一会長)は、4月1日に新体制に移行した。改正前の農業委員数は30人だったが、改正後は農業委員15人、農地利用最適化推進委員20人の体制となった。
 同委員会が2011年から設置している農業委員会協力員(48人)制度も継続しており、事務局も含め、農地利用の最適化を進めるため、一体となって農地利用状況調査(農地パトロール)と利用意向調査などに取り組んでいる。
 農地パトロールの手順は、(1)農業委員と推進委員、協力員で農地利用状況調査推進会議(第1回)を開催し、担当地区の地図をもとに調査手順の確認を行う(2)各委員・協力員で担当地区農地の利用状況を確認・把握する(3)事務局同行で遊休農地の状態など詳細を確認する(4)推進会議(第2回)において農地性の判断などを行い、利用意向調査対象の絞り込みを行う――。
 8月から9月にかけて実施したパトロールの結果、遊休農地面積は約38ヘクタールで、うち今年度利用意向調査を実施したのは177筆(約16ヘクタール)だった。
 同市は山間部の農地を多く抱えている。鹿やイノシシなどによる獣害は深刻で、遊休農地化の大きな原因だ。将来に向けた展望が持ちづらく、高齢化も進んでいるため、利用意向調査に対しても無回答になりがちだが、担当推進委員などはそのような所有者を訪問して話を聞き、それぞれの事情に合わせた対応を模索している。
 今後、同農業委員会では、地元に密着する協力員制度を生かしながら、農業委員と推進委員がよりスムーズに連携できる体制を整えていきたいとしている。
 地域での話し合いなどに積極的に参画し、集落営農の立ち上げなど、農地利用の最適化に向けて、引き続き取り組みを進めている。

写真説明=農業委員会一体となって農地利用最適化推進の打ち合わせ(右端が永水会長)