人と組織をサポート 担い手確保へ法人化支援 北海道農業会議

 北海道農業会議(岡村雅敏会長)は、地域農業の担い手確保対策の一環で、農地所有適格法人の設立に向け、北海道農政部やJA北海道中央会と連携して、法人設立のための研修会などの開催や、農業者など法人設立希望者の個別相談に対応している。
 これまで道農業会議が受けた相談件数は、2015年度は127件、2016年度は80件(2016年12月現在)。
 道内の農地所有適格法人数は、平成に入ってから増加を続け、2016年1月現在で3181法人(道農政部農業経営課調べ)。
 農業経営の法人化には、節税や、経営の合理化によるコスト削減のほか、対外的な信用力を高めたり、規模拡大や経営の多角化などさまざまな効果が期待される。
 近年では、地域の維持など法人そのものの設立効果に加え、新たな機能も期待されている。
 長年、農地所有適格法人の設立に携わってきた、道農業会議の佐藤匡紀農地・担い手担当部長は「農業経営の法人化は、あくまで経営を改善する一つの手法なので、強制されるものではない。しかし、近年、地域を維持するための法人も設立されている。こうした法人の設立が、今後、活発になると思うが、設立だけでなく、設立後のフォローアップも必要。そうした役割を、行政やJAに期待したい」と話す。
 また、「10年後や20年後の地域農業の維持や発展に向け、今のうちから対策を講じておく必要がある」と強調する。
 こうした状況に対応して、道農政部は2016年4月に「企業連携・農業法人化サポートデスク」を開設した。地域と企業との連携などを含め農業経営の法人化を推進することにより、多様な担い手の育成・確保を図ることが目的だ。
 12月末現在での相談件数は152件。今後も、関係機関・団体との連携を強化しながら、地域や企業の抱える課題にきめ細かく対応し、法人化を推進していく考えだ。道農業会議も同デスクと連携し、各種相談対応や情報提供を行っている。

写真説明=市町村主催の相談会、講師は農業会議職員(左から2人目)