農委活動の道しるべ(47) 日本の農地制度(2) 早稲田大学教授 楜澤 能生

耕作者主義とは何か(1)

 戦後の農地法制の根幹をなす原理の一つに“耕作者主義”がある。戦前の地主制度の下では、小作農が汗水たらして作った農作物の半分が地主に収奪された。第二次大戦後、政府は不在地主の全小作地と、在村地主の小作地であって都府県平均1ヘクタール、北海道4ヘクタールを超える小作地を地主から強制買収して小作人に売り渡し、広範な自作農を創設した。