新生農委 多様な担い手づくり推進 ぎふアグリチャレンジ支援センター

 都道府県農業会議の担い手支援がさまざまな形で、更に加速している。岐阜県では県が進める「多様な担い手づくり」を推進するため、今年4月に、県や同県農業会議、農畜産公社、JAグループ(県中央会・信連)、金融機関(十六銀行・大垣共立銀行)が職員を派遣し、「ぎふアグリチャレンジ支援センター」を立ち上げた。
 センターは、新規就農希望者の就農相談から研修、就農に向けた農地・資金の相談、営農定着までの支援を行う他、担い手の法人化や企業の農業参入の支援、農福連携など、多様な就農ニーズにワンストップで対応する総合相談窓口として活動する。関係機関の垣根を越え、担い手支援に特化した県域の組織は全国初で、これまで農業会議などの関係機関が積み上げてきた経営指導のノウハウをどう融合させ、担い手の育成に生かしていくのか注目されている。
 同県は、2017〜2021年までの5年間で新たな担い手2千人を育成する「担い手プロジェクト2000」に取り組む。この目標の達成に向け、最前線に立っているのがセンターだ。
 4月3日のセンター開設以降、個別の相談対応や就農相談会の開催、現地機関と連携した新規就農者への支援など、幅広く活動している。センターが開設して間もないが、相談件数はすでに昨年同時期の倍以上に増加しており、早くもセンターを設置した効果が出てきている。
 企業参入の推進でも建設業に限らず地元企業の参入を進めるため、新たに食品加工業者にもアプローチを始めたところだ。
 センターの田村康則担い手部長(50)は「センターが開設されて日は浅いが、ワンストップで相談対応できる強みを生かし、攻めの姿勢で担い手の掘り起こしに取り組んでいきたい」と話す。
 センターは、農業法人への就業希望者の相談にも対応している。農業会議は法人の雇用対策としてHPの「ぎふ農業法人ナビ」を独自に運営しており、センターと連携して、希望者対応に取り組んでいく。
 兼務職員としてセンターに派遣されている農業会議の田中長柔課長(43)は「ワンストップ相談窓口の業務には、農業会議で培ってきたノウハウをしっかりと生かしたい。法人化や企業参入の濃密的な個別支援は、センターから農業会議に業務委託しており、農業会議職員や地域に根ざす農業委員会の協力を得ながら、さらなる支援強化を目指したい」と意気込む。

写真説明=ぎふアグリチャレンジ支援センターのみなさん。担い手支援に特化した県域の組織は全国初