人と組織をサポート 担い手育成協の共同事務局 群馬県農業会議

 群馬県農業会議(堀越恒弘会長)は、県農政部や県段階の農業団体、金融機関などで構成される「群馬県担い手育成総合支援協議会」の共同事務局を県農政課、JA群馬中央会とともに受け持つ。認定農業者など担い手の育成・確保と経営支援に取り組み、農地の確保と有効利活用のために、県や国からの支援を受けて活動する。
 同協議会の活動で農業会議は、認定農業者をはじめとする担い手の経営管理能力の向上などのサポートを展開。「担い手支援スペシャリスト」として、会計・税務、社会保険・労務、経営診断、流通・販売、商品開発、事業計画などに精通する9人の専門家を委嘱し、担い手経営相談会や人材育成・経営の法人化などのテーマを設けたセミナーを開催する。また、地域への講師派遣などさまざまな形態で、県内担い手や地域協議会などの要望にも対応している。
 夏・冬に3日間程度開催する「担い手経営相談会」では、各分野のスペシャリストに加え、金融機関の相談ブースを設置し、農業者の抱える経営課題に専門家や実務者が複合的に対応する。
 主な相談内容は、農業経営の法人化、雇用の労務対策、商品開発、設備投資・資金調達、税務などで、2015年度は48件の相談を受けた。
 また、農業会議は県からの委託で「地域興しマイスター指導支援事業」を実施している。主に中山間地域の農業・農村の振興や、グリーンツーリズムの取り組みを支援するために専門家(マイスター)を派遣する。支援対象者は、認定農業者の枠を超えて、個別経営から農産加工グループ、農業・農村に関わる団体。
 同事業では、▽地域農産物を活用する農産加工グループなどへの新メニュー開発や技術指導▽農産物のブランド化に向けた取り組み方法の指導▽都市と農村交流を行うグループへ助言活動――と幅広く支援している。

写真上=法人化をテーマに開いた2015年度第1回セミナー

写真下=冬期経営相談会。多くの相談が寄せられる