農地を活かし担い手を応援する “出会い”作って担い手支援 愛知・豊橋市農業委員会
通算293組の結婚が成立!
愛知県豊橋市農業委員会(杉浦利晴会長)は、1983年に市農業後継者花嫁対策推進協議会を設立し、その活動を通じて、2016年度には5組、通算では293組の結婚が成立した。
同市農業委員会の花嫁対策は、農業委員会法6条3項業務の一環として、青年男女に結婚機会を紹介し、同市農業の健全な発展に資することを目的としたもの。協議会の会長や事務局は、農業委員会の会長や事務局が務めており、協議会幹事にも農業委員8人が就任し、積極的に活動している。
主な活動は男女交流会や結婚相談会の開催で、2017年度は農家結婚相談員を各地区から7人委嘱した。
交流会は、若者や相談員の意見を聞きながら協議会幹事が中心となって企画・運営し、昨年はハロウィンパーティーやクッキングパーティーなど趣向を凝らした交流会を4回開いた。いずれも業者への委託ではなく、手作りで開催している。
相談員は、未婚者の相談活動がメインだが、交流会の参加者の募集や交流会後のフォローなど男女の橋渡しも行う。そのため、相談員同士の情報交換会も実施している。結婚希望者には「結婚相談登録」をしてもらっているが、その際に作成する登録カードの各項目を記入していくことで、自分はどのような家庭を作りたいかのイメージが明確になり、それに向けて自ら行動する契機となっている。
近年は、40代以上の参加者もおり、毎年同じような顔ぶれで結婚が成立しにくくなっていることから、女性との話し方や服装などについて勉強する資質向上のセミナーを開いたり、交流会の持ち方を工夫している。
今後は、さらにセミナーの内容を充実させ、開催時期を農閑期にしたり、集まりやすい場所で開催するなどして、後継者が積極的に結婚に向けて取り組むようにしていきたい考えだ。相談員は「婚活を始めても、すぐに結婚できるとは限らないので、若いうちから活動を始めてほしい」とアドバイスする。
協議会副会長の福井直子農業振興部会長は「豊橋は農業が盛んで専業農家が多く仕事熱心だが、多忙で異性と知り合う機会があまりない。パートナーがいることで仕事にも張りがでて、責任を持って仕事に取り組めるようになる。産地を維持していくためにも、このような活動はとても重要。農業委員会の体制が変わるが、こうした活動を通じて今後も後継者など担い手を応援していきたい」と語った。
写真説明=趣向を凝らした交流会。(上)ハロウィンパーティー、(下)クッキングパーティー