人と組織をサポート 農業法人の強みで農業振興 徳島県農業会議

 徳島県農業会議(寺井正邇会長)は徳島県農業法人協会の事務局として、担い手・経営対策に力を入れている。6月9日に開かれた同協会の総会では、会員39社の中から新たに(有)福井園芸代表取締役の福井義勝氏を会長に任命。また、10人いる役員のうち7人は50歳以下の次世代後継者が任命され、若い発想を生かした事業計画が組まれた。
 例えば人材対策。県内外の教育機関へ向けて、農業法人のPR活動や就職相談会を積極的に実施する。来年3月には農業法人の現地見学バスツアーを開催し、就職希望者が実際に現地を見ることで就職意欲を向上させるよう工夫し、人材獲得に向けて会員の期待を高めていく方針だ。
 また、今年2月には国立大学法人徳島大学と「農業振興に関する連携協定」を締結した。同大学の学生のインターンシップを受け入れ、優秀な人材の獲得も目指す。一方で、機械工学部と連携し、新たな農業機械の開発の支援を受けることも視野に、先進農業法人の育成に力を入れる。
 販路開拓では、バイヤーとの商談会用シートであるFCPシートについて、全会員の作成を目指す。年4回開く定例会では3社ずつ同シートの発表を行っていく方針だ。現在、ホームページの改修も進めており、会員ごとのページを作成するとともに、FCPシートを貼り付け、バイヤーに対しての宣伝活動を行っていく。
 福井会長は「FCPシートは、農産物の特徴、生産工程、管理体制、品質について一見して分かるようにできている。全社作成を達成した際には、徳島県農業法人協会の詰め合わせセットを作り、市場に売り込みたい。流通の問題はあるが何とか形にしていきたい」と意気込みを語った。
 これまで、同協会は経営者の懇親の場としての役割を果たしてきた。今後は県内法人の強みを生かした事業展開を図り、徳島県農業の振興を図っていく。

写真説明(上)=FCPシートの全会員作成に意欲を示す福井会長

写真説明(下)=徳島大学との「農業振興に関する連携協定」締結式