農地を活かし担い手を応援する 第2部 農地利用の最適化(40) 新制度へ対応

香川・三豊市農委会 観音寺市農委会

 4月1日に改正農業委員会法が施行される。施行日から新制度に移行する香川県の三豊市農業委員会(堀江博会長)と観音寺市農業委員会(森川光典会長)は新たな農業委員と農地利用最適化推進委員(推進委員)を選ぶため、その推薦・募集の準備に奔走した。前例はなく、両市で相談し合いながら準備は進められた。
 「募集にあたっては、新設の推進委員の役割や仕事内容を中心に新制度を周知するため、現在の農業委員に協力いただきながら地区別の説明会を開くことから始めました」と話す観音寺市の合田知史事務局次長。
 推進委員を置く委員会では、農業委員は法令上の定数が半減するが、推進委員は農地面積100ヘクタールに1人の割合で設置でき、農地面積の大きい市町村ほど推進委員を多く設置して、マンパワーを強化できる。
 三豊市は管内農地面積6877ヘクタール(山林・原野化農地を除く)に応じて、推進委員の最大定員・68人を設置することに決めた。農業委員(24人)と合わせると、その数92人。現在の農業委員数の2倍以上になる。
 「現場活動が中心の委員会業務と今後の市の農業振興を考えると、この人数は必須です」と同市の浪越勇事務局次長は断言する。
 地区別に募集人数を示して1月4日〜2月1日の約1カ月間、ホームページと広報誌を通じて推薦と応募をかけた。地区ごとの推薦で68人のメンバーは無事に決まり、農業者を中心に30〜70代まで幅広い年齢層の顔ぶれがそろった。認定農業者の40代女性も入り、青年・女性の活躍にも期待がかかる。
 「農業委員と推進委員の連携はもちろん、定期的に推進委員同士の意見交換会も開きたい。各地区の状況や課題を共有すれば推進委員の意識向上と密な連携につながる」(浪越次長)。
 両市ともに推進委員の活躍を期待するのは農家の高齢化で増える遊休農地対策だ。雑草が生い茂り、害虫が発生する遊休農地に、近隣住民から苦情が寄せられることが多いという。
 観音寺市の合田次長は「推進委員には日常的な農地パトロールと遊休農地の解消活動に力を注いでもらいたい」と話す。
 一方の三豊市は「68人の推進委員にいかに現場で動いてもらうかがカギ。遊休農地の解消につなげたい」(浪越次長)と意気込む。

写真説明=「みとよ農業委員会だより」で農業委員と農地利用最適化推進委員の推薦・応募を周知した(三豊市農業委員会)