人と組織をサポート 経営能力向上へセミナー 広島県農業会議

 広島県農業会議(藏田義雄会長)は、県の目指す「産業として自立できる農林水産業の確立」の実現に向けて、担い手の育成と経営者の能力向上を支援する各種セミナーを開催している。
 セミナーは、農業の担い手として位置づけた集落農場型農業生産法人(集落法人)の設立を支援するため、2001年当時「集落法人リーダー養成講座」と銘打って、集落のリーダー育成に重点を置き、合意形成のポイント、法人制度の仕組み、組織運営方法など法人設立の基礎的内容で始めた。
 継続して毎年開催を重ねた結果、2014年度までの13年間で、年平均19集落法人が誕生し、2015年末現在の集落法人数は267。全国有数の集落法人数を誇り、担い手育成と農地集積の一翼を担ってきた。
 現在のセミナーは、法人設立に関する内容から、農業経営の企業的発展に主眼をおいたカリキュラムにステップアップしている。「農業経営発展支援セミナー」の名称で、近年増加している雇用就農者受け入れのための労務管理研修や会計研修、農地集積、経営継承対策、6次産業化なども取り入れ、年間7回程度開催している。
 2015年はマイナンバー制度の対策セミナーを実施するなど、すぐに役立つ内容のテーマ設定に心がけている。
 また、昭和50年代から長年取り組んでいる農業簿記記帳支援活動「農業簿記講座」も毎年多くの個人、法人、指導機関職員などが受講し、複式簿記の基礎とパソコン簿記を学んでいる。
 特に好評なのが、オリジナルの「やればできる農業簿記テキスト」で、実務に沿って分かりやすいテキストとして講座受講者だけでなく、農業関係機関で活用されている。

写真上=農業経営の企業的発展に主眼をおいたカリキュラムにステップアップしたセミナー

写真下=実用的な農業簿記講座のテキスト