相談フェアで人材確保 県農業会議もバックアップ 長崎県農業法人協会
長崎県農業法人協会(会長=山口成美・(有)シュシュ代表、事務局=長崎県農業会議)は、農業法人経営者の組織的結束を図り、会員を主体とした相互の情報交換や経営管理の研さんなどによる法人経営の確立、法人経営者の地位向上および地域農業の発展に寄与することを目的に、1995年11月に設立された。これまで、会員向けの研修会・視察研修、次世代育成のための研修活動などに取り組んできた。2018年4月現在の会員数は正会員・賛助会員合わせて71社。
協会では、年間を通じて、経営発展研修会、部門別活動(販売部門・労務部門)、農業法人新年交流・研修会、法人経営後継者育成のため次世代研究会の活動支援に取り組んでいる。
規模の拡大、経営の多角化、6次化への取り組みなど経営発展に取り組む法人経営体にとって、最大の課題は人材の確保であり、協会の役員会や関係機関などとの意見交換会でも、喫緊の課題として必ず話題となる。
この状況を打破しようと、協会では農業会議と共催で「農業法人就職・就農相談フェア」を開催している。以前にも開催していたが、最近の深刻さを増す人材不足に対して法人自ら行動を起こそうと2016年度から再開した。
フェアは、会場内に設置した法人ブースを参加者が自由に回り、説明を受ける合同企業説明会のスタイルで開催。フェアに先立ち長崎県農業経営課の協力を得て、県立農業大学校や農業高校をはじめ、県内の各高校、大学にも開催を案内している。また、ラジオや求人情報誌を使って広く県民に参加を呼びかけた。
2017年4月に開催した際には、農高生、農大生を中心に60人近くが来場し、ブースを出展した14法人・地域から経営の特徴や求人内容、雇用条件などを聞いた。
昨年のフェアをきっかけに、今年3月に諫早農業高校を卒業した女性3人が五島市で養豚と畑作に取り組む(有)草野ファームへ就職した。農業高校で畜産を学んだ卒業生が、一度に3人も離島である五島市の農業法人に就職したのは初めてとのこと。養豚経営の規模拡大を進めている草野社長は「フェアへ参加したことが今回の就職につながった」と力説するなど、フェアの成果が出てきている。
協会では、農業法人の県民へのPRも兼ねてフェアを毎年開催することにしている。今年は5月19日(土)に諫早市内で開催する予定だ。人材確保に向けて活動する協会を、農業会議としても強力にバックアップしていきたい。
写真上=多くの学生や生徒らが来場したフェア
写真下=来場者に説明する草野ファーム代表(左端)ら