京都移住コンシェルジュ活躍 子育て世代の農村移住を 京都府農業会議×京都移住計画

東京・大阪・京都に相談窓口を開設

 過疎・高齢化が進む農村部に移住者を呼び込むため、京都府農業会議(栗山正会長)は、民間の移住支援団体「京都移住計画」と提携し、京都・大阪・東京に“移住相談窓口”を開設。各窓口に現地案内から地域定着まで伴走支援する総合案内人「京都移住コンシェルジュ」を計6人配置して、年間1485人の移住相談に対応(2017年度実績)するとともに、さまざまな移住セミナーや現地見学ツアーを開いている。

 「自然の中で子育てをする@京都丹波」「京都府南部イナカスタイルセミナー」「移住井戸端会議in東京」…。移住希望者のニーズにきめ細かく対応した最近のイベントは、いずれも好評で、コンシェルジュによる現地案内につながるケースが多い。
 移住希望者の年齢は30歳代が最も多く、40歳代以下の若手世代が全体の約7割を占める。同年代の移住コンシェルジュによる親切な伴走支援が功を奏し、昨年度は相談窓口を経由して計49人が京都府内に移住した。
 移住希望者が増える一方で、受け入れ地域では空き家が不足し、掘り起こしが急務となっているため、農業会議では、中山間地域の農業委員会に対する協力要請を進めている。
 具体的には、移住者による営農活動や農地付き住宅取得を支援するため、農地取得の下限面積の再検討や耕作放棄地の再生支援の周知、地域事情に詳しい農業委員・推進委員による空き家発掘などの働きかけを行っている。今秋に予定する「農業委員会リーダー現地研修」では、子育て世代の女性移住者の受け入れで地域活性化を進めた先進事例を学び、府内に広げることをめざしている。

 京都府では、「移住の促進のための空家及び耕作放棄地等活用条例」を制定。空き家と耕作放棄地を活用して移住者の積極的受け入れと地域活性化に取り組む約80地域を「移住促進特別区域(移住特区)」に指定し、重点的な支援を行っている。
 例えば、受け入れ地域の支援では、「移住お試し住宅の整備(最大180万円)」「自宅の離れや空き部屋改修(同100万円)」「地域情報の発信、お試し住宅のPR(同50万円)」「家財整理(同10万円)」を用意。移住者への支援では、“取得した空き家改修の助成(最大180万円)”“不動産取得税の軽減”“借入資金の金利負担の助成”を行い、移住者の受け入れ・定着支援を進めている。

写真=移住希望者に魅力的な移住イベントを開催
上=移住井戸端会議in東京(7月7日、東京都内で開催)
下=子育て世代が多く参加する移住セミナー(5月16日、京都市内で開催)