人と組織をサポート 農業者年金の加入を促進 三重県農業会議

 三重県農業会議(齋藤祐次会長)では、JA組織と連携し、農業者年金の加入推進に努めている。
 「農業者年金制度未理解者をゼロに」を合言葉に農業委員や事務局、JA職員を対象とした研修会をはじめ、市町での加入相談会の開催や戸別訪問に取り組み、昨年度は14人、直近3カ年では50人が新たに加入した。
 事務局職員を対象にした研修会は昨年度、4回開催した。制度の仕組みの説明から加入対象者の把握を依頼、地域の農業者に精通している農業委員には、研修会を通じて対象者への声掛けを依頼した。具体的な対象者が選定されれば、市町での加入相談会を開催し、さらに具体的な加入手続き方法などについて戸別訪問して説明している。
 加入推進にあたっては、老後に必要となる生活費や国民年金受給のみとの比較など具体的な数字を示して説明する。また、戸別訪問では、保険料と将来の年金受給額見込み額などパソコンを使ってシミュレーションを行い、よりわかりやすい説明を心がける。
 「若い人ほど年金の恩恵は大きいが、若い人ほど年金への関心は薄い」ため、保険料の全額社会保険料控除など経営面でもプラスになることをPRする。特に政策支援対象となる40歳以下の対象者には、「2万円以下の保険料で加入でき、将来経営継承ができれば年金額が増額される。継承できなかった場合でも、支払った保険料に見合う年金が受給できる」ことを強調して加入を勧め、20代の加入者も誕生している。
 また、加入相談会や戸別訪問には極力夫婦での参加を依頼する。女性の平均余命が男性よりも5年長い統計結果もあり、夫が死亡後の生活安定のためには、夫婦での加入が重要となるためだ。
 同農業会議では、「農業者年金制度を理解のうえ加入するか否かは本人の自由だが、もし制度を知らずに加入できなかった人がいれば、われわれの責任。今後も制度未理解者を無くすように取り組んでいきたい」としている。

写真説明=農業者年金制度の利点を説明する県農業会議職員