県内3地区で研修開催 一丸での取り組み確認 福井県農業会議、3地区農業委員会協議会

 福井県農業会議と県内3地区の農業委員会協議会は共催で、農業委員・農地利用最適化推進委員研修会を開いた。初回となる10月16日は、丹南地区の越前市で開催され、約60人が参加した。

 始めに、丹南地区農業委員会協議会会長の福島定己会長(鯖江市農業委員会会長)が、「農業委員・推進委員が農地中間管理機構と連携し、積極的に現場へ出る必要がある」とあいさつした。
 研修会では、県農業会議の辻岡隆雄事務局長が農業委員会の業務や系統組織について説明。その後、(公社)ふくい農林水産支援センターの後藤課長が、機構の説明と県内の農地集積の事例を発表した。
 活動事例報告では、愛知県豊田市農業委員会の横粂鈞会長と倉知雅博農地利用最適化推進委員が、同農業委員会の取り組みを報告した。横粂会長は「農地利用最適化をどう進めるのか?」と題して、農業委員会が新制度に移行したことに伴う、「地区農業委員会」体制の施行とその狙いを説明。推進委員による戸別訪問調査の実施と発表会の開催など同市農業委員会が独自に行っている取り組みも発表した。
 倉知推進委員は「今ある農地を活かし、残す 農地利用最適化を進めるために」と題して、同市下山地区における課題や問題点を報告。「今、現場では実際に何が問題になっているのか」「将来を見据え必要なことは何か」など、農業者へのアンケートを通じて明らかになった現場の課題を挙げた。

 最後に、県農業会議が農地情報公開システムを利用した地図作成について説明した。
 出席した参加者からは、高齢化と離農が急速に進む中で、担い手確保の必要性や地域ごとに抱える問題点などについて質問や要望があった。
 同地区以外では、嶺南地区が若狭町で10月17日、福井地区が坂井市で10月31日に研修会を開催。3地区合計で約320人が出席した。今年で、県内17市町全ての農業委員会が新制度に移行し、業務の重点課題でもある農地利用の最適化に向けて、組織一丸となって取り組むことを確認する研修会となった。

写真上=あいさつする丹南地区農業委員会協議会会長の福島会長

写真下=丹南地区の研修会には約60人が参加した