担い手確保・支援へ積極的 高知 香美市農業委員会



香美市農業委員会(原心一会長)は担い手に農地を集積するために遊休農地の解消活動に積極的に取り組んでいる。今回は、その取り組みを紹介する。
香美市は2006年に土佐山田町、香北町、物部村が合併して誕生した。温暖な気候を生かし、水稲を中心に施設園芸も盛んで、やっこねぎ、ニラ、シシトウ、オクラ、ユズなどの産地を形成している。生産性の高い農業を維持し、発展させるために担い手の確保・育成に力を入れており、隣接する香南市と合同で新規就農者歓迎会を開くなど、新規就農者支援をしている。
農業委員会も地域の代表として、新規就農者など担い手への農地のあっせんなどを積極的に行っている。
相談を受ける中で、担い手から「条件の良い農地があるが、遊休化していて困っている。遊休農地が解消されれば借りたい」と相談があり、農業委員が農地所有者を訪ね、農地所有者に担い手の意向を伝えると、耕作してもらえるのであれば貸したいとの申し出があった。
当初、国の補助事業である耕作放棄地解消事業の活用を検討したが、事業要件に合致せず、事業の活用を断念した。
しかし、このチャンスを見過ごしてしまうことはできないと、担い手と所有者のために、農業委員会がボランティアで草刈りを実施した。
集まったのは農業委員と農地利用最適化推進委員の有志19人。機械などは参加委員自らが持参し、活動に当たった。今回の活動では2筆を対象とし、50アールの農地が耕作可能な状態になった。
原会長は「担い手がいるからこそ今回のような活動ができた。担い手がいないと仮に遊休農地を解消したとしても再び荒れてしまうため、解消活動が無駄になってしまう可能性がある。遊休農地が増えていく中で農業委員会として解消に向けた活動は重要だが、担い手の確保対策も進めていく必要がある。農業委員会としても携わっていきたい。今回はボランティアとしての活動だったが、継続していくとなると個々の負担が大きく持続は難しい。事業として取り組めるよう政策要望していきたい」と話す。
写真上=農業委員と推進委員の有志19人が草刈りを実施。50アールの農地が耕作可能な状態になった
写真中=解消前
写真下=解消後