タブレットで現場活動を円滑に 香川・東かがわ市農業委員会

 東かがわ市農業委員会(三谷正一会長)は、2016年4月に新体制に移行し、農業委員17人と農地利用最適化推進委員16人が活動している。市の東南部は中山間地域だが、集落営農法人や農作業受託組織などの活躍で農地が保全・活用されている。同委員会では、現場活動を円滑に進めるためタブレット端末を導入し、農業委員・推進委員が農地利用状況調査などに活用している。

 タブレット端末の導入は、新体制移行前の2015年頃から三谷会長をはじめとする農業委員から提案を受けて検討を開始。2018年度に10台導入した。タブレットには、航空写真、農地の地番、筆界などの情報が入っており、年1回以上、これらの情報を更新するため、常に最新の農地データを利用できる。
 タブレットは主に農地利用状況調査で活用している。これまで調査は、A0サイズの地籍図を委員へ手渡し、地図と風景を照らし合わせながら作業をしていた。「現在地や農地の場所の正確な位置を把握することができる。また、航空写真をはじめ、紙地図には掲載できなかったさまざまな情報をコンパクトに確認することができる」と市担当者は話す。
 利点はほかにもある。市の農地面積は、1900ヘクタール。筆数は3万3千ほどあり、紙の調査では利用状況調査などの現場活動では整理に時間を要していた。特に中山間地域は筆数が多く、情報の整理に時間を要していた。
 三谷会長は「タブレットを利用することで、画面上で調査結果を簡単に入力できる。調査時間も短縮できた」と話す。また、結果は電子データとして整理され、事務局職員が一括してデータを集計できるようになるなど、事務作業の効率化が期待されている。
 現在は、希望する農業委員・推進委員にタブレットを貸し出している。ただ、これまでのところ、利用状況は2割ほどにとどまっている。
 「2019年4月に農業委員会は新たな体制に生まれ変わる。利用の定着に向け、定例会などで農業委員・推進委員に積極的な活用を呼びかけていきたい。また、利用した委員から話を伺い、より使いやすいシステムになるよう改善していく予定だ」と担当者は話す。

写真上=タブレットの導入で現場活動や事務作業が効率化した

写真下=タブレットの画面