人と組織をサポート 稲作経営者会議を支援 栃木県農業会議

 栃木県農業会議は、栃木県稲作経営者会議(大越一雄会長、会員数42人)を40年間事務局として支えている。同稲作経営者会議は昨年11月30日、創立40周年記念式典を宇都宮市内で開いた。過去に組織活動に尽力した役員らに感謝状を授与したほか、記念講演を行った。
 同稲作経営者会議はこれまで、地域の担い手として土地利用型経営を展開する大越会長を中心に、水田利用を最大限生かすため、経営改善・経営発展に向けた研修や相互研鑽に取り組んできた。40周年の記念すべき年は、環太平洋連携協定(TPP)の大筋合意など農業経営者にとって大きな節目の年となった。
 大越会長は「これからの農業経営には、水田をフルに活用する経営展開と、地域内農地の集積・集約を目指して高い収量を維持・確保できる設備、さらに消費者に安全と安心を提供できる環境に配慮した農産物生産を行うことが必要」と訴えた。
 同稲作経営者会議は、40年前に稲作経営技術の向上に向けた研修をスタート。現在では会員相互の経営改善の参考とするため、年3回の研修や関東管内の稲作経営者らとの合同研修、全国稲作経営者会議(大越会長)主催の研修、農水省など国の政策に関する研修のほか、土地利用型経営のコスト削減対策として農業関係企業との意見交換や複式簿記による経営管理など、経営の改善・発展に向けた研修を行う。
 会員同士で地域特性を踏まえた経営改善に関する情報も交換。自らの経営課題を会員相互で解決したり、研修会などで解決方法の共有化を図っている。会員からは「組織活動を経営発展につなげていきたい」と前向きな声が上がっている。
 県農業会議は今後も、同稲作経営者会議が取り組む会員の農地集約や生産体制整備、販売戦略、後継者などの人材育成に向けた研修などを、事務局として支えていくこととしている。

写真上=挨拶する大越会長(中央)

写真下=感謝状の授与