人と組織をサポート 農地転用を厳格かつ円滑に処理 大分県農業会議

 大分県農業会議(井上清志会長)では、今年度からスタートした「常設審議委員会」を月2回実施している。
 常設審議委員会は、昨年度まで「常任会議員会議」として農地転用許可に当たり都道府県知事諮問として月1回実施されてきたものを、農業委員会法改正で都道府県農業会議が農業委員会ネットワーク機構として農業委員会からの意見聴取に基づき審議するもの。
 大分県では農地転用の可否判断をより早く行い事務処理の期間を短縮することで、円滑な手続きが図れるよう月2回の実施とした。
 これまでより転用許可申請者も早く許可の可否を分かるようになった。委員会は毎月中旬と下旬に開催。それぞれ11人のメンバーで審議する。広い視野で農地転用許可を審議できるよう司法書士や不動産鑑定士もメンバーになった。
 審議案件も優良農地確保の観点から法で定められた3千平方メートル超の農地だけでなく、農用地区域内農地、甲種農地、第1種農地も対象とし、農地をしっかり守れるよう審議する。
 同県では、厳格な審議をしつつもスピード感のある円滑な処理を行える体制として動き出した。
 また、今年度より農業委員会業務の柱となっている「農地利用最適化」を目に見える形で実践するため、「おおいた『新・農地を活(い)かし、担い手を応援する運動』」の展開を決めた。これまでも同様の運動は展開してきたが、改正法に基づき、農業委員会として新たな業務を実施する必要があるため、同農業会議でこれまでの運動を見直した。
 運動の柱は四つ。「農地利用最適化」業務となる(1)農地の利用集積(2)遊休農地対策(3)担い手の確保・育成のほか、農業者などの声をくみ上げ、行政などへ意見提出ができるよう(4)農政活動も展開すること――としている。
 具体的には、農地中間管理機構との連携による利用集積の促進や農業委員と農地利用最適化推進委員の協力による利用状況調査の実施、必要に応じた非農地判断、新規参入者受け入れ・フォローアップ体制の整備などを実践していく。
 運動の実施期間は、2018年度までの3年間。農業委員会は、この運動に基づき、活動計画・実績作成と中間・総括検討会を実施しつつ、成果を出すべく活動を展開していくことになる。