タブレット導入し利用状況調査 茨城・古河市農業委員会

 古河市農業委員会(舩橋新五会長)では、本年度から4台のタブレットを導入して利用状況調査を開始した。昨年度は約2~3カ月の調査期間が必要だったが、本年度は約3週間に短縮。タブレットの衛星利用測位システム(GPS)機能の利用や航空写真を表示することで、調査地を間違えることなくスムーズに特定ができ、精度の向上にもつなげることができた。

タブレットを片手に調査。推進委員の(右から)関さん、尾花さん                      

 「今年は耕作しているな」と、タブレットに写し出された地図と現地を見比べながら利用状況調査に取り組む、農地利用最適化推進委員の関勝美さんと尾花耕一さん。「タブレットがあるだけで、現地調査がずいぶん楽になったよ」とほほ笑む。
 昨年までの調査は、事務局でA1版の農地の筆界がわかる地図を約200枚印刷し、道路や学校など目印になる場所を蛍光ペンで色付けして現地に行きやすいようにしていた。
 また、農業委員・推進委員のグループを8班に分け、1班当たり20~30枚の地図を持って現地を確認していた。
 地図上で事前に調査地を確認しているが、現地に行ってみると地図にない新しい道路ができていたり、目印がない場所があったりと、調査地にたどり着くだけでも一苦労。特に雨の日は地図を大きく広げることができず、なかなか調査地にたどり着けない。
 しかし本年度は違った。タブレットで調査地を指定すれば、付属するGPS機能を利用してカーナビのように案内してくれる。航空写真も地図上に表示することができ目印があって分かりやすい。
 「タブレットの操作は、最初は戸惑うこともあったが、2、3回現地調査を行えば慣れる。間違ったときは、取りあえず戻るボタンを押せば何とかなるし、もし分からなければ事務局に電話すればいい」と2人は話す。
 結果、調査期間は昨年度まで2~3カ月の期間がかかっていたが、3週間程度に短縮された。

 また、進入路がないところや、湿地で条件が悪いところは遊休農地になりがち。担い手は条件が悪い土地は知っているから借りない。「基盤整備などを契機に条件がよくなれば借りる担い手もいると思うが…」と解消を危惧する。
 一方で、調査に取り組んできたことで再び耕作し始めた農地もある。「地道に調査に取り組み、農地所有者に耕作をお願いしていくことが必要なのかな」と推進委員になって農業委員会が重要な仕事をしていることを知った。少しでも耕作につながるよう調査を実施していきたいと話してくれた。