関係者一丸で推進 話し合い活動 宮崎・高千穂町農業委員会

ワークショップで意見を出し合う
地図上で農地などにシールを貼り、色分け

 天の岩戸開きや天孫降臨など神話の町として知られる高千穂町では、農業委員会(原田文男会長、農業委員・農地利用最適化推進委員それぞれ15人)と町や関係機関が連携し、集落単位での話し合い活動を進めている。

 地域での話し合いは、機運の高い集落から進めており、昨年11月末までに町内全56集落のうち12集落で延べ56回開催している。
 話し合いの開始にあたっては、その材料にしてもらうため、「地域農業の将来(人と農地の問題)に関するアンケート調査」に取り組んでいる。農地を所有、管理する世帯を対象に、1世帯複数人に回答を求めている。
 実施にあたっては、町農政担当、農業委員会事務局と地域代表者などでその内容を検討している。
 調査結果は、地域代表・役員などに報告した後、地域全体を集めたワークショップ形式での話し合い活動に活用。農業委員、推進委員、農地中間管理機構駐在委員が情報・話題提供などアドバイザー役となって各グループに加わり、意見が出やすい雰囲気をつくっている。
 農業者だけではなく、同じ地域に住んでいる非農家の住民の意見や地域の若い人の意見も聞きたいなど地域によって違った要望もあるため、具体的な話し合いの内容や参加者については、事前に十分な打ち合わせを行って決めている。
 話し合いの回数を重ねた後には、地図に参加者が今後使う農地、管理する農地、非農地判断する農地など色分けしたシールを貼り、地域で守るべき農地を明確化している。

 こうした活動を通じて、これまでに4地域で新たな人・農地プランが作成された。プランの実践に向け、集落営農の法人化や農地中間管理事業を活用した農地の集積が進められている。
 最近では推進委員の呼び掛けにより話し合い活動がスタートするなど、関係者間では「話し合い活動は時間がかかるが、集落のニーズや展望をみんなで共有するためには必要な取り組み。これからも農業委員、推進委員、関係機関などが一丸となって進めていくことが重要」と意識の高まりを見せる。