県内初 女性農業委員割合3割を達成 岐阜・恵那市農業委員会

恵那市農業委員会の皆さん
柘植会長

 恵那市農業委員会(柘植賢二会長)では、昨年11月に任期満了に伴う改選が行われ、農業委員19人、農地利用最適化推進委員22人の計41人体制で新たな3年間の活動がスタートした。改選前から岐阜県内最多の5人の女性農業委員がいたが、さらに増え6人に。県内では初となる女性の農業委員登用率30%超えとなり、ますます活発な活動が期待される。

 女性農業委員の増につながったのは、これまでの女性委員の活動が高く評価されたためだ。
 2016年1月から年2回、市内約5千戸の全農家に届ける「ええのお」は、毎月の総会後に女性委員で編集会議を開いて作成。新規就農者や担い手の紹介、地元産の農産物を使った料理レシピなど、記事の執筆や写真選定、表紙のデザインなど女性の視点で楽しく伝える工夫を凝らしている。現地取材により新規就農者や担い手と顔の見える身近な関係になり、経営規模拡大などの意向把握やその後の農地の集積・集約の調整にも一役買っている。
 女性委員は農業者年金加入推進のリーダーも務める。若い農業者を戸別訪問してアドバイスするなどして、昨年度は加入推進目標1人に対し6人が加入。600%達成の農業者年金表彰にも輝いた。

 同市では農業委員と推進委員の連携がよく、農地利用最適化の成果も現れている。総会とは別に、毎月市内を5地区に分けた地区委員会を開催。農業委員と推進委員が総会審議事項の事前協議や現地確認の他、農地の集積・集約や遊休農地対策について情報共有している。
 また、日頃から、利用権の終期を迎える農地や貸し出しが見込まれる農地所有者、担い手双方に直接の働きかけを行い、2018年は24.7ヘクタール、2019年は21.9ヘクタールを農地中間管理事業などに結びつけた。委員の活発な活動と成果を裏付けるように、農地利用最適化交付金の活用額も県内で第1位だ。
 柘植会長は「農業はこの地域における基幹産業。農業委員会は持続可能な産業としての農業を目指している。その活動の一環として、先月、人・農地プランの実質化に向けた話し合いで委員全員がコーディネーター役になるよう、進め方を研修した。耕作放棄地の解消とさらなる農地の集積・集約に向け、地域での話し合いをリードしていきたい」と今後の抱負を語った。