優良農地維持、地域農業発展へ プラン実質化にまい進 福岡・北九州市東部・西部農業委員会

 今年7月に統合を控えている北九州市東部・西部農業委員会。北九州市と言えば「工業都市」のイメージがいまだに強いが、観光に農林水産業に魅力がいっぱいだ。東部・西部農業委員会では、管内の優良農地を維持し、地域の農業をより良くするため、人・農地プランの実質化に取り組んでいる。

1月24日開催の唐熊地区打ち合わせの状況

 北九州市西部農業委員会の久野善隆会長、倉成保彦副会長の地元である八幡西区楠橋・唐熊地区は、同県の種子用大麦が栽培されるなど、優良な農地が広がっている。しかし、そんな同地域でも農家の高齢化が進んで農家数は減少傾向にある。
 同委員会では、地域の農業・農地を守っていくため、親元就農する農家子弟への支援の必要性を訴えてきており、会長の地元集落で西部管内での人・農地プランのモデルとなる取り組みを進めている。
 西部地区のプランを担当する西部農政事務所との事前打ち合わせを重ね、検討会を開催した。1回目は、楠橋種子組合の組合員を中心とした地域の担い手を対象に、現状や今後の思いなどを話し合った。
 「話し合いを重ね、地域の農業を元気にしていきたい」と話す久野会長。今後は、農地所有者を交えた話し合いや意向調査を実施していくこととしている。

 全国ブランドの「合馬たけのこ」など多くの農林産物が生産される北九州市の東部地区。
 そんな北九州市東部農業委員会管内の門司区と小倉南区においても農家の高齢化は急速に進んでいる。そこで、これまでJAの支店ごとに作成していた人・農地プランを実質化させるための動きが始まった。
 現在、同市東部農政事務所では、2013~2018年に圃場整備事業に取り組んだ小倉南区高野地区で、地域の担い手となる認定農業者を職員が戸別訪問し、今後の農業経営などについての聞き取りを行っている。今後は順次、他地域の担い手にも聞き取りを実施していく。
 これを踏まえ、東部農業委員会ではプランの実質化に向けて市農政事務所と一体となった取り組みを進めていく予定だ。