農地利用最適化へ 初の女性委員が4人誕生 奈良・高取町農業委員会

 高取町農業委員会(廣瀬智彦会長)は奈良県内で唯一、4月から新体制に移行している。
 改正前は農業委員18人だったが、改正後の新体制では農業委員14人、農地利用最適化推進委員5人になった。認定農業者の農業委員が改正前の1人から過半数の8人に増えた。
 それとともに、同町で初めて女性委員も誕生。農業委員に3人、農地利用最適化推進委員に1人、両委員合計4人の女性が加わったことで、定例総会での積極的な発言が増えるなど雰囲気も変わり、議論が活性化しているという。
 同委員会では、昨年12月中旬に農業委員会法改正に関する地域説明会を三つの地域に分けて行った。農業委員だけでなく、農協支部長などの地域農業者のほか、農家以外の自治会長など多くの参加を呼びかけた。
 「奈良県の先陣を切るのでお手本になれるよう、事前説明にこだわって取り組み、慎重に準備を進めました」と同委員会事務局長の東(ひがし)扶美さん。
 説明会では、農地利用の最適化を進める法改正のねらいや、農業委員の選出方法が「市町村長による任命」に変わることなどを、資料を示しながら詳しく説明した。
 また、推薦する際には、認定農業者や女性・青年を優先してもらうよう法の規定を示して説明した。地元に入って農業者らに理解を深めてもらうことで地域ぐるみの協力が得られ、目標を上回る数の女性委員で新体制をスタートできた。
 東さんは「40代が1人と若年者がまだまだ少ないので、今後は青年農業者にもっと参加してもらえれば。委員同士の情報交換や議論が活発になるよう支えていきたい」と意気込む。

写真説明=研修中の農業委員と推進委員