農地を活かし 担い手を応援する 関係機関と遊休農地解消 大阪 高槻市農業委員会

農委・農業者の声を市政に反映

 大阪府の高槻市農業委員会(橋長俊彦会長)は、同市の「高槻市遊休農地対策本部(2010年設立)」に参画し、市、JA、実行組合協議会とともに、市内10地区で、遊休農地の調査、解消に取り組んでいる。農業委員や農業者の意見をとりまとめ、現場の課題の解消をめざして、市への建議にも力を入れてきた。

 高槻市農業委員会は、2009年12月の改正農地法により遊休農地対策が強化されたことを受けて設立された「高槻市遊休農地対策本部」で、市、JA、実行組合協議会とともに遊休農地解消を進めている。
 また、遊休農地それぞれが持つ実情に沿った対策を講じられるよう、市内10地区で地域の事情に精通した実行組合長などで構成する「遊休農地対策協議会」も設立した。
 毎年、対策本部の総会で当該年度の方針などを決定し、その方針に基づき、各地区できめ細やかな対策が採られることとなる。
 具体的には、各地区の実行組合長が地区内の遊休農地をリストアップ。これを踏まえて農業委員や実行組合長、市、JAで農地パトロールを行い、遊休農地をくまなくチェックする。
 確認された遊休農地は、実行組合長らが直接所有者を訪問し、遊休農地の解消方策や農地のあっせんなどについて相談に乗っている。
 遊休農地の解消、利用集積を進めた結果、2015年度の市内遊休農地面積は約5.4ヘクタール(前年度比12.8%減)となり、うち3地区については、農業委員と農委事務局が直接訪問して指導するなどし、遊休農地を完全に解消している。
 同委員会では、毎年、農業委員や地域の農業者の意見を取りまとめ、市に対して建議を実施してきた。
 建議の中では、小規模農地の集約化の推進や、農道・農業用水路の整備なども求めている。これらは、地域に密着して遊休農地の調査を行う中で、確認された課題でもあり、これらの解決に向けた支援を求めることで遊休農地の解消を進めている。
 橋長会長は「遊休農地対策は、地域ごとの課題をきちんと把握し、的確な対応を行うことが重要。今後も、関係機関と連携しながら遊休農地の解消を図っていく」と話す。

写真上=橋長俊彦会長

写真中=遊休農地の解消へ現地を調査

写真下=建議書手交式での意見交換(左端が濱田市長。右端が橋長会長)