市民と農委会つなぐ「農宝みやま」を発行 福岡・みやま市農業委員会

編集委員会で内容やレイアウトなどについて熱心に打ち合わせ                        
德永順子会長

 みやま市農業委員会(德永順子会長)では、農業委員会だより「農宝みやま」を発行し、市内全戸に配布している。この農委だよりは、同委員会の情報提供活動の一環として、市民と農業委員会をつなぐのに一役買っている。

 同委員会では、2018年12月に初めて農業委員会の独自の広報誌である「農宝みやま」を発行した。昨年7月には新体制移行後2度目の改選が行われ、10月に第2号も発行した。
 発行のきっかけは、2016年の法改正後、農業委員に加え農地利用最適化推進委員が設置されたことから「各委員の顔と役割を市民の皆さんに知ってもらいたい」と考えたからだ。
 また、同市では農地法をよく知らずに違反転用してしまうケースなどもあり、「農地の処分などには法律にのっとった手続きが必要だということを知ってもらいたい」という思いもあった。
 発行にあたっては、会長と副会長2人、合併前の旧3町地域から代表各1人ずつの計6人の委員に事務局を加えたメンバーで編集委員会を立ち上げた。内容を試行錯誤する中で、検討会議に全国農業新聞の編集担当者を招き、広報誌としての見やすさ、わかりやすさや企画内容などについてのアドバイスももらった。また、「農業委員会だより」全国コンクールに入選した広報誌なども参考に内容・レイアウトを決めた。

担当地域ごとの各委員の顔写真を掲載

 「農宝みやま」には、第1号、第2号ともに1ページをつかって、担当地域ごとの各委員の顔写真を載せた。まずは、自分の住んでいる地域の農業委員・推進委員の顔を覚えてもらうためだ。加えて、農地に係る許可申請手続きの説明、市内の新規就農者の紹介や委員会活動の報告、農業者年金・全国農業新聞の案内などを掲載した。
 発行後は、各委員がそれぞれ地元の市民から相談を受ける機会が増え、頼られるようになった。德永会長は「農が宝と呼ばれる日を願って、『農宝みやま』と名付けた。昨年末からの新型コロナウイルス感染症の影響は多くの人の心にも影を落としている。耕作放棄地も農地に再生すれば、何かを生み出す宝になる。大地を踏みしめ、深呼吸をすれば広がる四季折々の色が心を癒やしてくれる。『農』に携わることで、地域を守り、幸せを感じることができるように今後も取り組んでいきたい」と意欲を語る。