農地パトロールにタブレットを導入 青森市農業員会

 青森市農業委員会(福士修身会長)では、農地パトロールを実施する際にタブレット端末を使用し、正確な位置確認と作業の効率化・省力化を図っている。

タブレットを使って農地パトロール。操作は事務局職員が行う

 同委員会は、旧市町の青森地区と浪岡地区に分け、タブレット端末を各地区2台、計4台を2019年度に導入し、2020年6月の農地パトロールから本格稼働させている。
 特に浪岡地区は山間部のリンゴ園も多く、紙の地図だけでは現在地の正確な位置がわからず苦労していた。タブレットを導入したことにより現在地の正確な位置がわかり、大幅な時間短縮が可能となった。
 パトロールには、農業委員と農地利用最適化推進委員、事務局職員が参加し、事務局職員が主にタブレットの操作を行う。推進委員に事前に渡している担当地区図面とタブレットの衛星利用測位システム(GPS)機能により、現地で正確な対象農地の調査・分類判定がいち早くできるようになった。図面には、タブレット内のデータと共通で前年度パトロールにより判定した農地に着色がしてある。また、現地で判定した情報をその場で入力するため、作業の効率化・省力化も図られている。
 同委員会では、農地利用最適化協議会と、その下部に3ブロックからなる農地利用最適化ブロック部会を設置。ここでパトロールの結果を踏まえた非農地判断などを調整・協議し、月例総会に報告している。

自分の意見を付箋に書いて出し合ったワークショップ

 人・農地プランの実質化にあたっては、昨年度、地域の話し合いへの参加に向けた事前研修を実施した。全国農業会議所専門相談員で茨城県東海村農業委員会元事務局長の澤畑佳夫氏を講師に座談会の模擬演習などを行った。
 また両委員には、同市農業政策課で実施した意向調査の回収協力を依頼され、回収の状況についても情報を共有するようにしている。
 同市では19地区でプランが作成されていることから、同委員会では1地区に農業委員と推進委員が2人1組で配置されるよう調整。実際の話し合いでは、事務局が農業委員会等利用システムから「所有者(耕作者)年齢層」「あとつぎの有無」を印刷した地図を準備するなど、話し合いがスムーズに進むように配慮している。
 プランの実質化に向けては、昨年度に地域の現状を把握するための話し合いを行った。次のステップとして、2020年度末までに話し合いの結果に基づく地域農業の「未来の設計図」を作成することとしている。