人と組織をサポート 担い手の経営改善を支援 滋賀県農業会議

 滋賀県農業会議(中村功一会長)は、担い手の経営改善のためにさまざまな形でサポートし、継続性の高い優秀な経営体の育成に取り組む。
 メーンとなる取り組みが、「農業経営スペシャリスト」の派遣活動だ。中小企業診断士や税理士、社会保険労務士などをスペシャリストとして委嘱し、派遣活動を行うことで担い手のさまざまな相談に応えるものだ。
 同農業会議によると、国の「農の雇用事業」で雇用労働力を導入し、規模拡大や経営の多角化に取り組む経営体が増えており、それに伴う就業規則の作成など労務管理の相談が増えているという。
 また、雇用労働力の導入によって、その経営体がどのように経営発展しているかの分析調査や、雇用労働力を導入するための経営数値の分析調査の依頼などもあり、中小企業診断士を派遣するケースもある。
 中小企業診断士の相談業務では、「粗利益を1%アップ」「労働分配率を1%ダウン」「売上高を1%アップ」のそれぞれで、どのように数字を改善し、どれくらい利益がアップするかなどをシミュレーションして、分かりやすくアドバイスしている。
 実際に相談した経営体からは「資金繰りが永続する経営体質にしていくための方策がよく分かった」といった反応が寄せられている。
 このような経営改善相談活動に加え、コメの食味向上に向けた研修会など栽培技術向上の支援も行っている。
 同農業会議は「経営感覚に優れた優秀な経営者を育てるため、今後もさまざまな支援を行っていきたい」と意気込む。

写真説明=コメの食味向上に向けた研修会など栽培技術向上の支援も行っている