【列島最前線】ジビエを使った学校給食 知ってほしい命の大切さ 和歌山・古座川町

 紀伊半島南方の山間部に位置する和歌山県古座川町。町面積の約96%を森林が占める同町では、2015年からジビエを使った学校給食を提供している。ジビエを資源として活用する取り組みには、地元住民の意識改革を進めることや、食を通じて「いただきます」の言葉の意味、命の大切さ、山の恵みへの感謝などを子供たちに知ってほしいという思いが込められている。

 同町の人口は、1960年頃には1万人以上だったが、2018年には約2700人まで減少している。これに連動するように農産物への鳥獣被害が年々増加し、2013年には年間シカ800頭、イノシシ約30頭が駆除されたが、活用されずに廃棄処分されていた。
 そこで同町は、厄介ものだったシカやイノシシを資源とする町おこしを目指し、「古座川ジビエ振興協議会」を2014年に発足させた。
 町を挙げてジビエを導入するため、同年に鳥獣食肉処理加工施設を設立し、処理方法などを習得した人材も養成した。併せて狩猟者を対象に「捕獲個体受入講習会」を開催。ハンターが食肉として流通させるための捕獲・処理方法などを学んだことで、良質なジビエ肉の確保が可能となった。

写真説明=高池小では全校児童が一緒に昼食を食べる