列島最前線 地域に伝わる棚田を守る 富山・南砺市 五箇山地域相倉集落

「コーリャク隊」の若者が手作業で農業を手伝う

 富山県南砺市五箇山地域の相倉集落には、棚田と合掌造りの民家が並ぶ古くからの景観が残る。集落の入り口にある棚田では、田植えや稲刈りを「みんなで農作業の日」と題して、地域内外の参加者約150人で農作業に汗を流す。棚田のオーナーやお手伝い集団の「コーリャク隊」の協力を得て、地域に伝わる棚田を守っている。

 「コーリャク」とは同地域の方言で「手伝う、助ける」という意味。コーリャク隊はボランティアで棚田などの農作業を手伝う人たちを指す。都市部の企業や大学生らが主なメンバーだ。
 農作業の日には同隊の若者や地域内外から来た子供たちのはしゃぐ声が響く。同集落や近隣集落の保育園児や小学生が毎回参加する他、棚田オーナーが家族連れで訪れる。都市部に住む子供たちには田んぼの全てが新鮮で、「カエルを取ったよ!」など元気いっぱいに遊び回る。
 機械が入らないため稲は手作業で刈り取り、昔ながらのはさ掛けにして天日で乾燥させる。はさ掛けの技術は地域の農家が伝え、若手がこれを引き継ごうと懸命に教わっている。
 棚田の保全のため、行政と(公財)五箇山農業公社、(公財)世界遺産相倉合掌造り集落保存財団が協力する。棚田オーナー制度の運営やイベントの準備は行政、棚田の日頃の草刈りや肥料の散布は同公社、水の管理は同財団と、それぞれができる作業を分担している。