列島最前線 ユニークな就農支援制度 神奈川県住宅供給公社

団地内の共同菜園で。左から末永さん、山崎さん、岡嵜さん

 東京から電車で1時間と少し。神奈川県二宮町の二宮団地で、神奈川県住宅供給公社がユニークな就農支援を始めた。就農者が団地に安く住めるなど就農を後押しするアグリサポーター制度を導入。今年春から5人が入居し、評判も上々だ。

 同制度は就農者の家賃を半額にし、農機具を貸し出すなどする代わりに、団地内の共同菜園や田を管理し、住民対象の収穫体験や田植えなどイベント運営をしてもらうもの。加えて居住者がいない建物1棟を倉庫や作業場など拠点施設として開放している。
 アグリサポーターの末永郁さん(37)は「倉庫には収穫物を保管できて、空調も完備されている。作業場がある点も新規就農する際に有利になった」と話す。会社員時代に有機農業を志し、日本各地を回った。最終的に二宮町に移住し、同制度を知った。現在、30アールでミニトマト、ナスなど夏野菜に加え、ホーリーバジルを有機栽培。冬作は、キャベツやレタス、白菜などを作付けた。
 同じくアグリサポーターの川尻哲郎さん(56)がしている養鶏も手伝う。10アールで320羽を放し飼いし、1日150~180個の卵を地元農産物直売所に出荷。野菜は週2回の軒先マルシェで販売するなど、販路も確保し、順調なスタートをきった。近い将来に、農地を60アールまで増やすめどもついている。
 同団地は1966年に完成し東京や横浜のベッドタウンとして栄えたが、高齢化などで入居率は約半分に。2016年から地元の杉を使ったリノベーション、二地域居住や在宅ワークの募集など再編を目指していた。もともと盛んな農業に焦点をあて、今回の取り組みを企画。4人の募集をかけ、集まった5人全員を認定した。