コーディネーターとして集落の話し合いを支援 新潟・阿賀野市農業委員会

 阿賀野市農業委員会(見尾田正行(みおたまさゆき)会長・農業委員15人、農地利用最適化推進委員11人)は、市農林課と連携し、地域計画・目標地図作りを進めている。各地区の会合に参加する委員は、それぞれ丁寧な説明を心掛け、住民から多くの意見を引き出せるよう、話し合いの場を切り盛りする。

法柳新田集落での話し合い。中央に現況図を置き、意見交換を活性化させた

 同市農業委員会では7月、1カ月かけて農家連絡員など集落の代表者に「制度説明」と初回の「協議の場」を設定し、地域計画の趣旨や目標地図の考え方を伝えた。10月からは集落ごとの目標地図の作成に向けた話し合いが本格化。各地区の話し合いは、地区担当の農業委員、推進委員がコーディネーター役として進行と趣旨説明、課題提起などを行う。意向調査を地図に落とし込んだ現況図を広げ地区の目標を具体的に想像しやすいよう場を作り、話し合いを進めている。話し合いは集落単位だが、複数集落が合同で行う地域もある。
 「地域と関わる中で、先輩農業者に圧倒されてしまい、なかなか発言もできません」と語るのは昨年7月に初めて推進委員に任命された圓山徳明(まるやまのりあき)さん(30)。同市農業委員会の最年少委員だ。
 10月15日に開かれた法柳新田(ほうやぎしんでん)集落の第1回話し合いで、圓山委員は同市農業委員会の笠原尚美会長職務代理者とともに出席し、制度と意向調査結果について説明した。
 話し合いの前半は、質疑なども少なく静かな雰囲気だったが徐々に参加者の発言も増え、後半は将来の地域農業について活発な意見交換の場となるなど、充実した2時間だった。

説明する圓山委員(手前)。奥は笠原会長職務代理者

 多くの意見を引き出すためには地域計画・目標地図の意義を参加者に浸透させることが重要だが、圓山委員は「危機感を持ってもらうことが必要。集落の代表者だけが集まっても伝わらない。集落に入って話を聞いてもらうことで危機感を持ってもらえるのではないか」と役割の重さを感じている。また、1回目の話し合いではまだ方向性は見えなかったが、圓山委員は「話し合いを継続し、形になるように進めていきたい」と力を込めた。
 市内全域で奮闘する農業委員・推進委員の頼もしい姿について、見尾田会長は「わが農業委員会は幅広い年代層で構成されており、若い力を大変頼もしく思っている。農業情勢は厳しい状況だが、今後の活躍を大いに期待している」と語る。