地域計画策定に向け作業着々進展 東広島市農業委員会
東広島市農業委員会(杉本源藏会長)は、地域計画の策定に向けて活動している。農業者の経営意向調査の結果を目標地図(素案)に取りまとめ、住民自治協議会の区域単位で話し合いを進める。
東広島市は県の中央部に位置し、県内随一の水稲作付面積を誇る米どころだ。また、南部地域では、レモンなどの柑橘やジャガイモなど多彩な農産物が生産されている。
市農業委員会は2023年7月と24年1月の2回、地域計画の策定に向けた農業者の経営意向調査を行った。30㌃以上の農地の所有者および耕作者、認定農業者などの調査対象9257件のうち、4341件(46.9%)から回答を得た。
調査結果から、今後の経営意向は全体の約4割が「規模縮小・誰かに任せたい」と考えていること=グラフ1、そのうち半数以上が3年以内、約8割が5年以内の規模縮小を考えていることが分かった=グラフ2。
また、地域の5~10年後はどのようになっているかという質問については、高齢化が一層進み、耕作放棄地が増加し、地域活動が満足にできなくなると回答があった。
現在、この目標地図(素案)をもとに、住民自治協議会の区域単位で話し合っている=写真。話し合いは農業委員会、市農林水産課などの共催。参加者は農業委員・農地利用最適化推進委員をはじめ、認定農業者や集落法人などの担い手を中心とした農家、中山間地域等直接支払協定代表者、多面的機能支払協定代表者、住民自治協議会役員などが集まる。同市には48の住民自治協議会があり、それを36区域にまとめて地域計画を策定する計画だ。7月末時点では、24の地区で話し合いが進められている。
各地区の話し合いでは、「鳥獣被害防止対策」「畦畔の草刈り作業の軽減対策」を求める意見が多く挙がる。若い農業者からは「集約された大きな農地を利用したい」という意見も多く、畦畔や水管理などでスマート農業を活用するためにも、圃場整備を進めていくよう求めている。
同市は県内でも先駆的に集落法人の設立が進められた地域。しかし、全ての区域をカバーできていないため、市は「集落法人や認定農業者がいない地域では、住民自治協議会の広い範囲でなく、目標地図などでさらに細分化した話し合いも今後必要」と考えているという。