農委魂 集落営農組織の法人化に尽力 兵庫・加西市農業委員会会長 吉田 一男さん

 吉田一男会長は、営農組合長や農会長と連携して集落営農組織を法人化に導いた。同市常吉地区の農地面積は55ヘクタール、農家戸数は72戸だが、専業農家は1戸のみで、高齢化と担い手不足への危機感があった。
 昨年10月に設立した(農)アクシス常吉には、62戸が参加し、32ヘクタールの農地が集まった。吉田会長と組合長らが農家集会で法人化の話を持ちかけたのは昨年1月。わずか9か月で設立に至ったのは、4年前に人・農地プランを作成しており、農家の合意形成が早く進んだからだという。
 農家アンケートで、「法人に参加しない」と回答した農家でも、「将来は法人に預けたい」という意向を持っており、今後ますます法人への集積が進みそうだ。
 吉田会長は「兼業農家には土日に参加してもらうなど地域の協力が得られた。法人化がゴールではない。今後は経営の効率化を進めたい」と気を引き締める。

写真説明=法人化に尽力した吉田会長(中)と同法人理事の吉田隆昭さん(左)、柴田康敏さん(右)