労働力確保へ 関係機関連携しサポートセンター設立 秋田県農業会議

農業会議事務局長がセンター長(左)に。副センター長は県園芸振興課長         

 深刻化する地域の農業労働力確保に向けた取り組みを支援するため、秋田県では、県はじめ関係機関・農業団体などからなる「秋田県農業労働力サポートセンター」を7月9日に設立した。事務局は秋田県農業会議(二田孝治会長)が務める。


 同サポートセンターの設立のきっかけは、園芸品目の飛躍的な拡大による複合型生産構造への転換を目指して県やJAが2014年度から県内各地に整備を進めている園芸メガ団地に取り組む農業法人で、人手不足が表面化し、規模拡大に障害が生じたことなどによる。
 これを受け、県、関係機関・団体が構成員となり「秋田県農業労働力緊急確保対策協議会」を2017年7月に立ち上げ、県域での農業労働力確保のための対策について検討を重ねた。
 協議会では同サポートセンター設立の前準備として、多様な労働力確保やサポート体制などを検討するため、外国人技能実習生を積極的に受け入れている他県の農業法人や監理団体に赴いて取り組みについて研修した他、シルバー人材センターやJA組合員を対象に労働力の確保や充足状況の把握に向けた調査を実施するなど、幅広く情報収集に努めた。
 こうした研修・検討期間を経て設立した同サポートセンターは県、県農業試験場、JA秋田中央会、JA全農あきた、県農業法人協会、秋田県立大学などで構成し、農業会議が事務局を務める。また、労働局と県社会保険労務士会にアドバイザーとして助言・情報提供をもらうほか、東北農政局秋田県拠点、県雇用労働政策課、県シルバー人材センター連合会、県農業公社がオブザーバーとして参画する。


 具体的な活動として、県内13あるJAへの無料職業紹介所の開設支援(すでに3JAで開設済み)とその運営支援。
 また、労働者が働きやすい環境を整備するための取り組みとして、農家の労働力確保に関する実態調査、労務管理ノウハウをまとめた農家向けパンフレットの作成や外国人材や障がい者ら多様な労働力に関する情報の収集などに、各機関・団体が役割分担しながら取り組む。事業費は県・構成機関からの負担金と国庫補助事業である「新しい働き方確立への支援事業」を活用する。
 センター長に就任した農業会議の齋藤辰嗣事務局長は「これまでの取り組みで得られた情報や労働者のニーズを踏まえた、支援体制の起点となる組織になる。関係機関などと連携しつつ、農業経営体が労働力を安定的に確保し、持続的に発展できるよう、取り組みを推進していきたい」と抱負を語る。