明日につなぐ(39) 福岡県農業委員会女性ネットワーク代表、宗像市農業委員会農業委員 吉武 順子さん
「明るく、楽しく、元気よく」――福岡県宗像市農業委員会の農業委員を務める吉武順子さんのモットーだ。
吉武さんは2016年4月に同委員会の農業委員に就任し、現在2期目を務めている。宗像市で生まれ育ち、農業に携わる前は金融関係の会社に12年間勤務していた。
結婚を機に退職し、2010年に実家の両親のもとで就農した。夫は一般企業に勤め、子供の育児や家事を分担しながら、水稲やブドウ栽培の経営をしている。
農業委員として活動に取り組む中で感謝を伝えたい人は、父親の正美さん(80)だと言う。「いつも親身になって相談に乗ってくれる。私が農業委員になる時も背中を押してくれた」と話す。正美さんも同市の農業委員を長年務め、地域農業の発展を支えてきた。今も現役で農業に汗を流している。
吉武さんは、同県の農業委員と農地利用最適化推進委員で組織する「福岡県農業委員会女性ネットワーク」の代表も務めている。同組織では、女性の農業委員の登用を進める活動にも積極的に取り組む。同県の農業委員に占める女性の割合は、新体制への移行により約12%となった。
さらに、来年7月には県内の多くの農業委員会が新体制2期目を迎える。そこで同組織では役員などが中心となり、女性の農業委員が1人もいない市町村などの首長や議長を訪問し、女性の積極的な登用を要請している最中だ。
「2020年までに農業委員に占める女性の割合を3割にするという国の目標は、一般の人にはまだまだ浸透していないと感じる。女性も手を挙げやすい環境を作るためにも、効果的なPR方法をみんなで考えていきたい」と今後の意気込みを語る。